香川県が大量生産に成功し、健康にいい糖分として注目されている希少糖。
その効能や特徴についてまとめてみました。
希少糖って?
希少糖とは、国際希少糖学会によって「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義され、自然界に豊富にあるD-グルコースやD-マンノースなどを除いた単糖の大部分のことです。
有名なものでは、キシリトールがあり、他にL-グルコース、D-アロース、D-タガトース、D-プシコースなどがあります。
例えばプシコースを含む植物はズイナ属のみです。
世界的に研究がされているこの希少糖。
日本では1994年、香川大学の何森健教授らが、果糖の一種であるフルクトースを希少糖プシコースに変換する酵素、D-タガトース3-エピメラーゼ(DTE)が発見。
これによって希少糖を体系的に生産するシステム(イズモリング)が考案され、大量生産への道が拓かれました。
希少糖の効能は?
・カロリーがほぼゼロ
いくつか種類のある希少糖の中でも、最も研究が進んでいるD-プシコースは、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロです。
・血糖上昇抑制作用がある
L-アラビノース・D-キシロース・D-プシコースはそれぞれ砂糖の50〜70%程度の甘味を持っています。
しかし小腸で吸収されにくく、消化酵素α-グルコシダーゼの活性を抑えてグルコース(糖質)の吸収を抑える作用があり、血糖値を抑制する作用があります。
そのため、炭水化物や糖分を摂取した後の血糖値上昇を穏やかにすると言われています。
・動脈硬化を防止する
D-プシコースは、動脈硬化を防止する作用があることが知られています。
・ダイエット効果がある
砂糖の50〜70%程度の甘味があるにもかかわらずカロリーがほぼゼロなことに加え、食事の糖質の吸収を抑える作用があるため、これまでの砂糖に置き換えることでダイエット効果も期待できます。
希少糖と他の甘味料との違いは?
これまでにも、一般的な砂糖(主にスクロースの結晶)に比べるとカロリーが低い、またはカロリーがない甘味料は多く作られています。
その中でもよく使われているものは、大きく分けると既存添加物(天然に存在する甘味料)と合成甘味料のふたつに分類されます。
既存添加物としては、メロン、ブドウや梨などの果実や醤油・味噌・清酒などの発酵食品に含まれている天然の糖アルコールでカロリーが低いエリトリトールがあります。
合計甘味料の主なものには、
・ダイエットコーラなどに使われているアスパルテーム
・砂糖の600倍の甘さを持つが消化されないためノンカロリーのスクラロース
・同様に砂糖の200倍の甘さでノンカロリーのアセスルファムカリウム
・ダイエット飲料や歯磨き粉などに使われているサッカリン(発がん性への危惧から現在は使用が減っている)
などがあります。
いずれも砂糖の代わりになってカロリーが低い甘味料として使われていますが、希少糖との大きな違いは、それ自体にほとんどカロリーがないだけでなく、他の食品の糖分吸収を抑制して血糖値の上昇を防ぐことにあります。
希少糖の大量生産に成功した香川大学のある香川県は、うどん県としても知られており、県民のうどん消費量は全国平均の2倍、生産量は日本一を誇っていますが、糖尿病発症率でもワースト1位と、糖質の過剰摂取による健康被害に悩まされていました。
そこで、希少糖をうどんのスープに使用したり、給食に希少糖を積極的に取り入れるなどの取り組みをしています。
まだ取り組みは始まったばかりですが、血糖値を抑える効果のある希少糖で糖尿病ワーストからの脱却ができるといいですね。
また、天然成分である希少糖には、アスパルテームやスクラロースといった合成甘味料のような後味(人によってはピリッと感じるもの)がありません。
希少糖の安全性は?
一般的に市販されている希少糖含有シロップ等に含まれている、希少糖D-プシコース・Dアロースは合成甘味料ではなく、糖を異性化(※分子式を変えることなくその化学構造を変えること)することによって生産されています。
その為、希少糖は安全性が高く副作用は認められていないと現在の研究ではいわれています。
大量生産が可能になったとはいえ、まだ高価な希少糖、市販されている希少糖含有シロップ「レアスイート」は希少糖(D-プシコース・D-アロースなど)を15%程度含むとされています。
含有率が低いこともあり、すぐに効果が現れるかというと疑問ですが、毎日の生活の中で少しずつ取り入れていってみたいと思います。
以上、
・希少糖って?
・希少糖の効能は?
・・希少糖と他の甘味料との違いは?
・希少糖の安全性について
の内容でお送りしました。
ダイエットはもちろん、糖尿病などの成人病予防効果も期待できそうな希少糖。
健康のために食生活に加えてみてはいかがでしょう?