少年野球でピッチャーをしているTくんが「速い球を投げるにはどうしたらいいの?」と聞いてきました。
今回は野球で速い球を投げるにはどうしたら良いか、速い球を投げるコツやトレーニング方法、速い球を打つ方法について見ていきましょう。
野球で速い球を投げたい理由は?
少年野球でピッチャーをしているTくんが
「速い球を投げるにはどうしたら良い?」
と私に聞いてきました。
Tくんは小学5年生で小柄ですが左利きでコントロールよく投げる事ができるピッチャーです。
ところが試合ではいつも打たれてしまうんだとか。
速い球を投げられるようになれば打たれないと思うから、私に速い球の投げ方を教えてほしいと言うのです。
球速は体力が付いてくれば自然とアップします。
しかし球速が上がれば打たれないかと言うとそんなことはありません。
日本ハムファイターズの大谷翔平投手の160km/hを超えるストレートでもホームランを打たれるように、単に速い球では打たれます。
このことからも、速い球を投げることは手段の一つであって、目的は打たれないことであるべきです。
もっと言うと、打たれなければ球が速い必要はないんです。
2015年で現役を引退した元中日ドラゴンズの山本昌投手は30代前半の頃の球速は132km/h前後でしたが、速球主体のピッチングで1993年・1994年・1997年に最多勝を獲得しています。
球の遅い豪速球投手と言われていました。
対戦した打者は山本昌さんに対する感想を一様に「とにかく速い」と言います。
これはスピードガンの表示する球速よりもバッターは速く感じているということですね。
デビュー当時の前・巨人の上原浩治投手(現・レッドソックス)も急速表示は140km/h台中盤の速球でしたが対戦したチームは口をそろえて「とにかく速い」と感想を漏らしていました。
ではどうしたらバッターが速く感じて打てない球を投げる事ができるんでしょうか。
方法は2つあります。
- 球の回転(バックスピン)を速くする
- テイクバックを小さくする
球の回転を速くする
バッターが速く感じる球は回転数が多いです。
すなわち回転が速いということです。
回転数の多いストレートは初速と終速の差が小さくなるため、速く感じます。
ピンポン球(卓球の球)を投げたことがありますか?
ピンポン球でキャッチボールをすると分かりますが、バックスピンを効かせて投げると球が浮き上がります。
スライダーを投げるとキュッと気持よく曲がります。
ナックルを投げると笑えるほど落ちます。
ピンポン球でのキャッチボールによって球に加える回転のイメージを掴んでください。
そして野球のボールでキャッチボールをする際に、ピンポン球でバックスピンを掛けた浮き上がる球をイメージしながらストレートを投げるようにします。
この時、速い球を投げようとせずに回転の多い球を投げることだけ心がけてください。
回転の多い球を投げようとすることによって、ボールをリリースする時のスナップが強くなるはずです。
ボールを離す最後の最後まで、指の先に集中してバックスピンを効かせましょう。
テイクバックを小さくする
テイクバックを小さくすることでタイミングを早くできます。
投げるタイミングを早くするとバッターが思うより早く球が来るので、球が速く感じるのです。
バッターに打ちにくい印象を与えます。
ただ、テイクバックを小さくすることはそう簡単なことではありません。
投手が窮屈に感じてしまったら上手く行かないんです。
窮屈に投げるくらいなら大きくテイクバックを取って投げるほうがマシです。
気持よくしっかり投げられて、なお且つテイクバック小さく投げるというのが大切です。
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野球で速い球を投げるコツやトレーニング方法
野球で速い球を投げるコツは、体重を球にうまく乗せることです。
野球のピッチャーが球を投げる時の一連の動作(投球フォーム)は、球に体重を乗せるための動きなんですよ。
ですから、正しいフォームで投げることが大切です。
あまり細かくフォームを気にすると逆にぎこちないフォームになってしまいますので、最初は大きな筋肉を使った投げ方を覚えるのが良いです。
大きな筋肉を使った投げ方は元読売巨人軍の桑田真澄さんが提唱しました。
大きな米俵を投げるイメージです(テレビでは樽と言ってました)。
米俵を投げようと思ったら、まず米俵を抱えた状態から、ゆったりと後方に引いて体重移動しながら前方に放り出しますよね。
この動きを大きな筋肉で投げるといいます。
この体重移動を実際に野球のボールを投げる際に使います。
そして投げる瞬間にスナップを意識してピュッとリリースしてあげれば、速い球が投げられるはずですよ。
トレーニングとしては米俵を投げられるだけの筋肉は必要ありませんから、小学生はトレーニングをする必要はありません。
中学生はゆっくりたくさん走ると良いですよ。
速く走ったり心肺機能を高めるために走る必要はありません。
歩くのと同じくらいのスピードでジョギングします。
そのかわり、足の指の先で地面を蹴るのを意識して走りましょう。
こうやってたくさん走ることで下半身が強くなります。
下半身が強くなると、正しいフォームで投げるのが大変じゃなくなります。
中学校高学年は背筋をトレーニングに加えると良いですよ。
体全体の動きを大きくするには下半身と背筋の発達が不可欠です。
しかしいずれも過度なトレーニングは禁物です。
練習のしすぎは良くありません。
まだ出来るくらいの体力を取っておいて、他のこと(勉強など)に使いましょう。
野球で速い球を打つ方法
小学生が野球で速い球を打つ方法は、「来た球にタイミングよくバットを当てる」につきます。
タイミング取り方は、
ピッチャーが「足を上げたあと一度沈む瞬間」にピッチャー側の足を踏み込む
→リズムよく後ろに引く
→前に体重移動しながら来た球をよく見ながらバットを振る
これを何度も反復練習します。
これが基本になります。
中学生も基本は同じですが、リズムを相手投手のフォームに合わせて変える必要があります。
中学生になると、投手はタイミングを外そうとしてフォームを工夫してきますので。
高校生以上になると体力がついてきますから、あまりバックステップせずに、バットがヘソから生えてるように意識しながら腰の回転でバットを振ります。
これで速い球を打てるはずです。
以上、今回は
- 野球で速い球を投げたい理由は?
- 野球で速い球を投げるコツやトレーニング方法
- 野球で速い球を打つ方法
という内容でお送り致しました。
ぜひこの記事を参考にして、速い球を投げて打者を打ち取ってください。
また、速い球を打ってください。
勝負を楽しみ、野球を楽しみましょう。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。