「土用の丑の日」にはうなぎを食べるものとして定着してますよね。
うなぎはビタミンAやビタミンBが豊富なので、夏バテ防止に効果があるんですよ。
美味しくて体に良いなんて素晴らしい食べ物ですよね。
でも値段が高いのが気になるところです。
最近では国産うなぎ以外にも中国産うなぎが売られているのをよく見かけます。
いったいどんな違いがあるんでしょうか。
この記事では、うなぎの国産と中国産の違いや、値段が安いということ以外の見分け方について調査しています。
うなぎは全て100%養殖?
まず最初にお伝えしておかなくてはならない事は、日本で売られているうなぎはほぼ100%養殖うなぎなんだということです。
たまに川で釣ったものをもらうことはあっても、天然うなぎは流通していません。
スーパーにも無いし、料亭にもありません。
国産うなぎというのは日本の養殖場で育ったうなぎのことで、中国産うなぎは中国の養殖場で育ったうなぎだということを前提に違いを見ていきましょう。
国産うなぎと中国産うなぎは味や食感が違う
うなぎ自体の味や食感が違います。
一般的にどんな違いがあるのかというと、国産は旨味が濃く、身が薄めで固いんです。
皮も薄いです。
一方の中国産は脂が多めで身や皮が厚く弾力が強いんです。
ん?なんかいつも食べてるうなぎの感じじゃないですか?
そうです。
私たちは知らず知らずのうちに中国産のうなぎを食べてるんですよ。
実際、私が10年以上前に高知県の四万十川を訪れた際に食べた国産うなぎは確かに風味が濃く、普段食べているうなぎと違うなあと思いました。
また、期待していたよりも小さくて身が薄いと感じたのを覚えています。
国産うなぎと中国産うなぎは大きさが違う
うなぎの大きさが違います。
国産は小さく、中国産は大きい傾向があります。
国産うなぎは養殖用に整備されたハウスで育てられています。
温度管理もきちんとされていて、うなぎにとって過ごしやすい環境です。
そのため身体は自然な大きさに育つようになってるんですよね。
皮が薄いのも穏やかな環境だからなんでしょうね。
一方の中国産うなぎは、土に掘られた広い穴のような池で無造作に育てられています。
広い池で非常にたくさんのうなぎが飼われていて、水質や温度管理もされていないんです。
餌は日によって種類や量がバラバラだといいますから、うなぎにとって厳しい環境だと言えますよね。
そんな中で競争しながら動きまわって育つから、大きくなるんですね。
国産うなぎと中国産うなぎは種類が違う
そもそも、うなぎの種類が違うんですよ。
国産はニホンウナギという種類です。
中国産はヨーロッパウナギという種類です。
それぞれ生まれる場所が違います。
ニホンウナギは日本から南に2000kmほどの海で産卵され、海流によって日本沿岸に流れてきた稚魚を捕獲するんです。
この産卵場所は2006年に魚類学者の塚本勝巳さんのチームが突き止めたマリアナ海嶺というところです。
ニホンウナギの産卵場所は長年の謎だったんですよね。
ヨーロッパウナギは、アメリカの東1500kmほどの海(サルガッソー海)で生まれた稚魚を北大西洋沿岸の国の漁業者が捕獲します。
捕獲された稚魚を中国の養殖業者が買って育て、日本に売るという流れが近年定着しています。
因みに台湾産のうなぎはニホンウナギなんです。
台湾はマリアナ海嶺から海流に乗って日本に来る通り道ですもんね。
だから人によっては中国産は苦手だけど台湾産は大丈夫という方もいるんですよ。
うなぎの種類による味の違いは、素人には区別するのは難しいほどの微妙な違いです。
違いが分かる人は余程うなぎ好きで舌が肥えているんでしょうね。
うなぎの産地はとれた場所ではない
うなぎの産地はとれた場所のことではないとういことをご存知でしょうか?
実はうなぎの産地は養殖された場所なんです。
法律(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律=JAS法)で定義されています。
うなぎの稚魚は仲買業者などによって物流で何箇所か移動することがあります。
その中で商品として売られるまでの間に一番長く過ごした場所が産地になります。
例えば3ヶ月間中国で育ち、その後4ヶ月間日本で育ったのなら国産となります。
うなぎ(鰻)の見分け方
売っているうなぎが国産なのか中国産なのかの見分け方を3つご紹介します。
うなぎの見分け方(1) 値段
値段は誰もが知っている見分け方ですよね。
当然高いのが国産です。
中国産は国産の半額くらいですから一目瞭然ですよね。
半額でも高いですけどね!
それだけうなぎの漁獲高が減っているということだと思います。
うなぎの見分け方(2) ラベル
うなぎの産地は、スーパーなどでうなぎのパックに貼ってあるラベルに表示してあります。
ほとんどの場合、値段のラベルに「国産」「中国産」「台湾産」「インドネシア産」
などと書いてあります。
そして国産の場合は商品ラベルに「鹿児島産」「徳島産」「宮崎産」「静岡産」「浜名湖産」
などと、よりプッシュする感じに書いてあります。
安全性の観点から国産を求める場合、ラベルを見るのは有効ですね。
ただし、例えば「浜名湖産」と書いてあっても、浜名湖にも養殖場がいくつもありそれぞれの養殖場で管理の仕方や餌が違うため同じ味ではありません。
ということは、産地を見て買ったとしても期待した味ではない可能性があるということです。
うなぎの見分け方(3) 大きさと手触り
国産うなぎは小さめで身が薄いとう特徴があります。
中国産うなぎは大きくて身が厚く弾力があるという特徴があります。
両方を同じ場所で見て触ることが出来れば違いが分かりやすいですよね。
しかし行ったスーパーにどちらか片方しかない場合は、それがどちらのうなぎか見分けることはまず出来ません。
さらに、最近はニホンウナギの数が減っていて値段が高すぎるため、値段が安いヨーロッパウナギの稚魚を仕入れて日本で養殖するケースが増えています。
ですから、うなぎを国産か中国産かを見分けるには、表示ラベルに頼るしかないのが現状です。
2008年にうなぎの産地偽装事件がありましたよね。
中国産うなぎが「愛知県産うなぎ」と偽装されて売られていました。
さらに偽装された中国産うなぎからは使用禁止されている合成抗菌剤が検出されました。
その後検査が厳しくなったので、中国産だからと言って危険だという訳ではないかもしれません。
しかし出来るだけ安全な国産のうなぎを食べたいというのも当然の気持ちだと思います。
あまり値段が高くなりすぎるのも困りますが、安全には代えがたいですよね。
国はしっかり予算を取って、より細かな産地表示を徹底してほしいと思いました。
以上、今回はうなぎの国産と中国産の違いや見分け方を紹介しました。
目次〜この記事に書かれていること〜
暑い時期、美味しいうなぎをたべて夏バテしないで元気に過ごしましょう!
この記事が国産うなぎと中国産うなぎを見分ける参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。