日大アメフト部の内田正人前監督と井上奨(つとむ)コーチの会見が物議を醸しています。
前日に行われた宮川泰介選手の会見内容と大きく食い違う点が多かったことと、司会者の米倉久邦さんの横柄な態度が原因です。
米倉久邦さんについてはここでは置いておいて、会見での両者の主張内容が食い違う点を見ていこうと思います。
この記事では、2018年5月22日に行われた日本大学アメリカンフットボール部宮川泰介選手の記者会見時に配られた公開陳述書の全文を紹介し、人物の発言部分は大太字で強調しています。
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1.内田正人前監督は指示との乖離(かいり)をあくまで主張
内田正人前日大アメフト部監督は、自分が支持した「相手のクォーターバックを潰してこい」という指示は、ルールの範囲内で全力でやってこいという暗黙の意味だったと主張しています。
昔は汚させろとか殺せという言葉をよく使ったが最近は使っていないという話も出ていましたね。
しかし体育会系部活経験者から言わせると、ルールの範囲内でというのは「見つからないように」という意味合いが強いそうです。
サッカーの場合はボールを持っている選手に対して激しく当たっていくプレーを「削る」と言います。
その際、相手が怪我をしても構わないというのが共通の認識のようですね。
結果怪我をした選手も、サッカーの試合の中での怪我は誰にでもあるものだと受け入れているのだとか。
そういった背景がある上で、プレーの中での荒々しいプレーは見ている人にとっても見応えがあります。
ですが今回のこの悪質タックルは、ボールを持っていないフリーの選手に対して行われたものでした。
そこに具体的な指示があったのかどうかが最も肝となる部分だと思います。
- 相手のクォーターバックを潰してこい
- 相手が怪我をしても構わない
という指示や認識自体は珍しいことではないんです。
フリーの選手に後ろからタックルして怪我をさせろ
この指示があったかどうかです。
日大側は、監督もコーチもそれを否定していますね。
ここが、「指示と選手の認識に乖離があった」と主張する部分かと思います。
2.井上コーチは宮川泰介選手がフリーの選手にタックルすることを知っていた可能性も
内田正人監督は宮川選手がまさかフリーの相手にタックルするとは考えていなかったかもしれません。
しかし井上コーチはどうでしょうか。
下で紹介する陳述書の中で、宮川泰介選手は井上コーチに
「リードをしないで(ボールの動きや相手のプレーに関係なく)クオーターバックに突っ込みますよ」
と確認してるんです。
それに対する井上コーチの応えは
「思い切り行ってこい」
でした。
実はここにも乖離があったんじゃないでしょうか。
井上コーチは宮川選手の言葉を正確に把握できなかったんだと思います。
会見で、井上コーチは宮川選手がそこまで追い込まれた精神状態だったとは思っていなかったと語っています。
その辺のズレが原因で、お互いの言葉をキチンとどんな意味で言っているのかを把握できていなかったのではないでしょうか。
宮川選手がフリーのクォーターバック選手にタックルした最初のプレーを井上コーチは見ていました。
そこで交代を進言しなかったのは、宮川選手に次のプレーもやらせたいという考えからだったと言います。
何かの間違いでフリーの相手にタックルしたんだと思ったんでしょうね。
そこで井上コーチは宮川選手を呼び「キャリア(ボールを持ってる選手)に行け」と注意しているんです。
しかし、次のプレーでも宮川選手は関学の交代したクォーターバックの選手がフリーの状態の時にタックルしています。
ここが重要かなと感じました。
「何で宮川はフリーの相手にタックルしたのか?」と疑問に感じたと思います。
でも同時に、あいつは言葉をそのまま受け取っていたのかも・・・と気づいたんでしょう。
ですが、ボールを持っているかどうかは関係なくクォーターバックに怪我をさせろと指示されていると思っていた宮川選手は、何故今さらボールを持ってる選手を選んでタックルしろと井上コーチが言うのか理解できなかったようです。
結果、次のプレーでもフリーの選手にタックルし、更に次のプレーで相手選手と揉み合った際に退場となっています。
このやりとりから、宮川選手と監督コーチの間に認識のズレ、つまり乖離があったことが分かります。
日大側があくまでも主張したいことは、フリーの選手にタックルして怪我をさせろと指示したわけではなく、もっとアグレッシブに行けという意味で指示した「潰せ」という言葉を宮川選手が「フリーの相手にタックルしてでも怪我をさせて来い」と受け取ったんだということのようです。
しかし、宮川選手にそう思わせてしまった環境や指導方法については良くないと認めて、監督の辞任を決めました。
井上コーチも辞任すると会見で言っていますね。
3.内田正人前監督は悪質タックルVTRを3日間見ていなかったのか
気になる点があります。
それは、試合後の内田正人監督の言葉です。
「あれくらいの(宮川のタックル)はラフプレーと言えない」
というもの。
当たりの強さ自体はプレーの中では普通にある強さではないかとは思います。
ですが、プレー後に脱力した状態の選手に後ろから突っ込んでますから、強さの問題じゃないですよね。
かなり危険なことなのは間違いないです。
あのプレーを見て出た言葉だとすると問題ですよね。
試合直後の発言ということで、悪質タックルの瞬間を見ていなかった可能性は高いですが、記者から「フリーの相手に後ろからタックル」という言葉は聞いていたはずです。
その言葉をしっかり受け取れば、「え?」という反応になったはず。
記者を見下していたから、ことの重要さに気づかずに時間が経ってしまったんじゃないでしょうか。
その後、内田前監督は宮川選手の悪質タックルを試合後3日間くらい見てなかったと言っています。
本当に見ていないとすれば、その後の対応もありえる話かもしれませんが、アメフトの監督が数日間も自分のチームの試合映像を確認しないというのは普通は無いそうです。
当日か翌日にVTRで悪質タックルシーンを確認していればもっと違った対応になっていたかもしれません。
ちょっとあり得ませんが、あのタックルを見ても危険性が分からず「ラフプレーと言えない」と思うとしたら、認識力がなさすぎて使えない人ということになります。
選手とのコミュニケーションが足りなかったという初歩的なダメすぎる言葉からも思いましたが、内田正人前監督は凄く悪い人というわけではないけど、アメフト部の監督としてはもうそこまでやる気が無い人だったんだと感じました。
いずれにしても辞任して良かったですね。
4.宮川泰介選手の陳述書全文と質疑応答
ここでは、5月22日に行われた宮川泰介選手の会見で使用された陳述書の全文を紹介し、翌日の日大監督コーチの主張との食い違い箇所を確認しましょう。
※この陳述書全文と質疑応答は、「サンスポ」で公開されたものを元に誤字や改行等の修正を加えたものです。
【参考】
宮川泰介陳述書詳細|サンスポ
①宮川泰介選手の陳述書全文
いわゆる「悪質タックル」の試合よりも前に2018年には関西学院大学と
- 4月22日
- 4月29日
に2試合行なっており、両試合とも宮川選手はスタメン出場していた。
5月3日
練習でのプレーが原因で、初めて練習を外されることに。
監督・コーチから
『やる気・闘志が足りない』
という指摘を受けていた。
その後、全体のハドル(作戦会議)で、監督から
『宮川のようなやる気がない奴は試合に出さない。
辞めていい。
』
井上(奨)コーチから
『お前が変わらない限り、練習にも試合にも出さない』
と言われた。
5月4日
練習前に監督から
『日本代表に行っちゃダメだよ』
と言われ、6月開催の第3回アメリカンフットボール大学世界選手権大会(中国)の日本代表を辞退することに。
監督には理由を確認すること到底できず
『わかりました』
と答える。
未経験の後輩に練習メニューを見せるために宮川選手が最初にダミーを持つ役をやると、
コーチから
『なぜ最初にダミーを持つんだ』
と叱責されグラウンドを10周走らされる罰を受ける。
井上コーチに
『宮川は出さない』
と言われて、実践練習を外される。
5月5日
実戦練習から外される。
井上コーチから
『監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば出してやると言われた。
クオーターバックをつぶしに行くので僕を使ってくださいと言え』
『相手のクオーターバックと知り合いなのか?関学との定期戦がなくなっても良いだろう。
相手のクオーターバックがケガをして、秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう。
これは本当にやらなくてはいけないぞ』
『(髪形を)坊主にしてこい』
先輩を通じ井上コーチから
『アライン(セットする位置)はどこでもいいから1プレー目からクオーターバックをつぶせ』
と伝えられる。
相手をつぶすくらいの強い気持ちでやってこいという意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだと思い追い詰められて悩む。
5月6日
ここでやらなければ日大の選手としての今後はないと思い試合会場に向かった。
試合のメンバー表に名前がなく、試合前のポジション練習時に確認したところ、
井上コーチから
『今(監督に)言ってこい』
と言われ、監督に
『相手のクオーターバックをつぶしに行くので使ってください』
と伝える。
監督から
『やらなきゃ意味ないよ』
と言われる。
井上コーチに監督から「やらなきゃ意味ないよ」と言われたことを伝え、
『リードをしないで(ボールの動きや相手のプレーに関係なく)クオーターバックに突っ込みますよ』
と確認。
井上コーチから
『思い切り行ってこい』
と言われる。
このやりとりは同ポジションの人間も聞いていた。
試合前の整列時、
井上コーチから
『できませんでしたじゃすまされないぞ。
わかっているな』
と念を押される。
(試合開始→悪質タックルへ)
タックルの直後は何も考えられない状態に。
相手クオーターバックの交代にも気づかず。
2プレー目後、コーチから呼ばれる。
井上コーチから
『(ボールの)キャリアに(タックルに)行け』
と言われる。
フリーの相手にタックルしてケガをさせる指示を受けていたと考えていたため、今回の指示の意味が理解できず、再度フリーのクオーターバックにタックルをして2度目の反則を取られる。
相手のオフェンス方向に移動する際に、正面から向かってきた相手を突いた行為で3度目の販促を取られる。
これはアグレッシブさに欠けると指摘されスタメンを外されていたため、やられっぱなしになることを恐れて敢えて突いてしまったもの。
退場後テントで事の重大さに気づき泣いているところを井上コーチに見られる。
試合後、スタメンと4年生が集められたハドル(作戦会議)の際、
監督から
『こいつの(反則)は自分がやらせた。
こいつが成長してくれるならそれでいい。
相手のことを考える必要はない』
という話がありました。
全体のハドルの際、監督から
『周りに聞かれたらオレがやらせたんだと言え』
と言われる。
井上コーチから、宮川選手に相手クオーターバックにケガをさせる役割をさせたことをすまなく思い「自分にもやらせてほしい」と申し出たという話を紹介し、
『その上級生は自分にもやらせてくれと言ったぞ。
お前にそれが言えるのか。
お前にそういうところが足りないと言っているんだ』
退場後に泣いていた件について
『優しすぎるところが駄目なんだ。
相手に悪いと思ったんやろ』
と責められる。
5月8日
17時頃、井上コーチにグラウンドに呼び出される。
クラブハウスで待っているころに先輩が来て宮川選手の様子を心配。
先輩に、
『もうアメフトはできない』
と伝えると、先輩も
『そうだよな』
と応じる。
学生のスタッフに監督が待っているコーチ部屋に行くように言われる。
宮川選手と監督が2人で話しはじめ、遅れて井上コーチと鈴木(孝昌)コーチが来て、話を聞いていた。
宮川選手が監督に
『もうフットボールはできない』
と言うと、監督は
『お前の罰は、あのとき退場になって、お前の処罰は終わっているのだからいい。
世間は監督をたたきたいだけでお前じゃない、気にするな』
と言われる。
監督が練習に出ていった後、井上コーチと鈴木コーチと3人で話す。
2人のコーチからは事実関係の確認はなく
『お前が(部を)辞める必要はないだろう。
向こうとの試合がなくなろうと別に良いだろう』
と退部を引き留められるが、アメフトを続けていくことは考えられない。
5月9日
森(琢)ヘッドコーチから三軒茶屋のキャンパスに呼び出され、
『辞めるべきじゃない。
フットボールで返していくしかない。
監督が厳しく言ったことをそのままお前に伝えたコーチに責任がある』
と言われる。
5月10日
謝罪文公表。
5月11日
井上コーチに連絡。
監督の部屋で、監督と井上コーチ、宮川選手と両親で面会。
宮川選手の父親から、
『個人的にでも相手方選手と家族に謝りに行きたい』
と申し入れる。
監督から
『今はやめてほしい』
と言われる。
父親から、監督・コーチから選手に対してクオーターバックにけがを負わせろと指示を出し、選手はそれに従っただけである旨の公表を求め、そのメモを先方に渡す。
監督から
『公表できない』
と断られる。
井上コーチから父親に連絡。
唐突に関学アメフト部の監督に謝りに行くと言われる。
父親が(関学大側に)アポイントを取ってほしい旨を求め、アポイントを取ろう試みるが、井上コーチから、先方から断られたと連絡。
夜中に再度井上コーチから父親に連絡があり、
『謝りに行く。
息子さんを行かせてください』
と言われ、翌日に関西学院大学に行くことに。
5月12日
宮川選手と井上コーチで関西学院大学を訪れるが、再度先方から面会を断られる。
5月14日
井上コーチから三軒茶屋のキャンパスに呼び出され、宮川選手と父親2人で訪問。
その後、関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会で聞き取り調査を受ける。
5月16日
日本大学本部の体育局にチームの幹部とともに呼ばれたが、先方の出方がわからない不安と、体調のため辞退。
5月17日
宮川選手と父親で関学アメフト部のクオーターバックの選手およびご両親を訪問し、直接謝罪の意を伝える。
以上が陳述書に記載された内容です。
最後に宮川選手は以下の文面をつけています。
本件は、監督やコーチに指示されたとしても、私自身がやらないという判断ができずに、指示に従って反則行為をしてしまったことが原因であり、その結果、相手選手に卑劣な行為でけがを負わせてしまったことについて、退場になったあとから今まで思い悩み、反省してきました。
そして、真実を明らかにするのが償いの一歩だと決意して、この陳述書を書きました。
相手選手、そのご家族、関西学院大学アメリカンフットボール部はもちろん、私の行為によって大きなご迷惑をおかけした関係者の皆様にあらためて深くおわびを申し上げます。
本当に、申し訳ございませんでした。
②宮川泰介選手会見での質疑応答
以下は質疑応答です。
宮川選手にとって内田監督やコーチはどんな存在だったか?本件によって見え方に変化は?伝えたいことは?
本件はいくら監督コーチに指示があったといっても自分でやってしまったことに変わりはなく、深く反省している。
監督コーチに対して自分からどうこう言うことはない。
部内での監督、コーチの存在は?
「日本代表に行くな」と言われたときもそうだが、疑問や意見を言えるような関係ではなかった。
監督・コーチに伝えたいことは?
こちらから伝えることはない。
宮川選手は甲子園ボウルで活躍していたが、どこで判断を誤ったのか?
試合があった週の1週間に監督・コーチからプレッシャーがあった。
しかし自分で正常に判断すべきだった。
関学のQB選手は謝罪を受け入れてくれた?
うなずきながら聞いてくれた。
以前にも先輩等に同様の指示はあったのか?
自分は把握していない。
試合直後の涙は反則直後から「大変なことをしてしまった」と思ったから出たのか?
直後から大変なことをしてしまった気持ちがあった。
悪質タックルの原因は?監督の指示がスポーツマンシップを上回ったのはなぜか?
監督・コーチの指示に対し、正しい判断ができなかった自分の弱さ。
監督・コーチがそれだけ怖い存在だったということか?
はい。
監督・コーチからの指示は「つぶせ」のみだったのか?
監督、コーチの言葉は「つぶせ」のみだったが、
- 「アラインはどこでもいいからつぶしてこい」
- 「秋の関西学院との試合の時に、相手のQBがけがをしていたらこっちの得だろう」
という言葉から、けがをさせるという意味だと認識していた。
「つぶせ」の意味を「けがをさせる」ととらえたのか
そうです。
日大側のいう指導と受け取り側の乖離(かいり)は無かったということか?
自分としてはそういう意味で言われているとしか捉えられなかった。
やるしかないという状況だった。
拒否していたらどうなっていたか?
はっきりわからないが、今後ずっと練習に出られない状況になっていたと思う。
宮川選手にとってアメリカンフットボールとは?
高校から始めた当初は楽しく熱中していたが、大学に入り厳しい環境の中で、少しずつ変わっていってしまった。
どういった気持ちの変化ですか?
環境が厳しすぎたせいか、徐々にあまり好きではなくなってしまったのだと思う。
今後どう過ごしていくことが望ましいと思うか?
今後アメリカンフットボールを続けていく権利はないし、やるつもりもない。
現段階では何をしていくべきかわからない。
内田監督の会見は見ていたか?
少し見たが、きちんとは見ていない。
(印象は?という問いに)自分がどうこう言うではない。
「日本代表に行くな」とのやりとりから、日ごろから監督に否定ができない空気だったのか?
基本的に監督と直接話す機会はなく意見を言える関係ではなかった。
厳しい環境ということだが、理不尽だったか?
理不尽と感じることもあったが、結果も出ていた。
みんな、そうしたなかで練習をしているとのだと思う。
監督・コーチへの信頼はあったか?
井上コーチは、高校2年生の時からの監督だった。
そのころから信頼はしていたのかもしれない。
内田監督は、そもそも話をする機会がないため信頼関係というのはわからない。
チームメイトから「責任は監督・コーチにありお前じゃない」という声はあったか?
あったと思う。
それを聞いてどう思うか?
やってしまった事実がある以上、指示があったにしても自分が反省すべきだと思っている。
関学や被害者の方も許しや誘いがあったらアメフトを続ける方が良いのでは?
今はそういうことは考えられない。
将来的にもう一度仲間とアメリカンフットボールをやってみたいという気持ちは?
今のところはない。
当日の整列時にコーチから「出来ませんじゃすまされないぞ。
わかってるな」と言われたことは間違いないか?
はい。
コーチからの念押しだった?
そうだと思う。
コーチはいつもそういったことを言ってくる人だったか?
このような状況がめったにあることではないため分からない。
他にも聞いている選手はいたか?
隣の選手に聞こえていたかもしれないが、はっきりはわからない。
口止めはあったのか?
口止めは無かった。
今回の会見を行うことは日大側は知っていた?
代理人:前日に近いうちに経験することを伝えた。
その時点では会場は決まってなかったが、夜に公表したので、知っていたと思う。
大学の窓口の事務方には、会見を開くことは明確に伝わっていた。
今後、宮川選手が監督・コーチと会う機会はある?
代理人:部の代理人から事情を聞きたい旨の連絡はあったが、監督・コーチから事実を聞きたいという話は無い。
退部届は受理されていない状況か?
退部届の書類はあるかどうか分からないが、退部の意志は当初から伝えている。
新チームのメンバーに伝えたいことは?
こちらから言うことではない。
今後の長い人生を考えた時に、今回の件で勉強になったことは?
少し考えれば、自分がやったことは間違っていると前もって判断できたはず。
自分の意志を強く持つことが重要だと思った。
あの時、違反行為をしない選択肢はあった?
あの時はそういうことは考えられなかった。
(どうして?という問いに)試合前の1週間で精神的に追いつめられていたため、やらないという選択肢はない状態だった。
精神的に追い詰められる日大アメフト部の指導、環境についてどう考えますか?
指導については自分が言える立場ではない。
今後同じようなことが起きないことを願う。
会見をする意志の強さ宮川選手が断れない程では繰り返す可能性もある。
ここで伝えたいことは?
自分の意志に反することは、フットボールに関わらず、全てにおいてするべきではないと。
指導する側に求めることは?
僕がどうこう言うことではない。
最初の反則プレーで審判の笛は聞こえていたか?
(被害選手が)投げ終わったということはもう気付いていた。
反則プレー直後の気持ちは?
何かを考えられる状態ではなかった。
退場後テントで泣いていた際「優しすぎるからだめなんだ」という言葉を受け取ったか?
その時はあまり考えられなかった。
(宮川選手の会見時点では)内田前監督と日大はきちんと真実説明していないことに関しては?
自分がやってしまったことなので、監督・コーチ陣をどうこう言うことではない。
償いの一歩として真実を話す必要がありこの場にいる。
監督や日大から被害選手らへの誠意ある謝罪の気持ちは感じない?
こちらから言うことではない。
井上コーチからの「1プレー目でQBを潰せ」という指示は、アメフトでは一般的なのか?それとも特別具体的だったのか?
特別だった。
なぜ5月3日以降から宮川選手に対するプレッシャーが突然強くなったのか?それとも入学当初からずっとあったのか?
突然だった。
その理由は?
「やる気・闘志が感じられない」という理由だったと認識している。
やる気が感じられないとされる原因に心当たりは?
心当たりはない。
監督からの具体的な指示は全てコーチを通じてするものなのか?
その場合が多い。
今回のケースも、そもそもの指示は監督からのものか?
そう認識していた。
あの反則行為は、自分の中でスポーツの中のプレーだったと捉えているか?それとも暴力と取られても仕方がない行為だったと考えているか?
代理人:法的な責任に絡むため、このことについてはご容赦いただきたい。
スポーツを逸脱した行為だったかどうかというレベルで聞くのは大丈夫か?
代理人:客観的な行為から見て、刑事事件・民事事件の可能性が含まれている事件だというふうに認識されるため、今後の責任が生じるような形でのご質問はお控えいただきたい。
監督が辞任したことは今後の日大アメフト部にとって良いことか悪いことか?
この会見は謝罪のため・真実を話すためであり、今後のチームについては自分が言うことではない。
これまでの間、かばってくれなかった監督に対して裏切られたという気持ちはある?
指示があったということを公表して欲しいという気持ちはある。
宮川選手個人に対しての被害届が出され、それが受理されたことについては?
被害届を出されても仕方がないくらいのことをした。
被害選手、ご家族からしたらそれは当然だと思っている。
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以上、今回は日大アメフト部の内田正人前監督と井上コーチの会見を受けて、宮川泰介選手の陳述書全文と会見での質疑応答を見ながら両者の食い違いを確認しました。
宮川選手の会見・陳述書は、真実を全て伝えて謝罪したいという気持ちが伝わってきましたね。
また、会見では宮川泰介選手の両親からの手紙を弁護士が代読しました。
宮川選手本人の今後を静かに見守ってほしいという内容でした。
正直に、冷静に自分のしてしまったことを反省している姿に感動したという人が多いです。
宮川選手はラフプレーをしてしまいましたが、その後の対応は指導者側よりも早く被害者への謝罪したい気持ちを一生懸命に訴えている点に共感できる人も多いのではないでしょうか。
今後アメフトに関わることは無いかもしれませんが、何かの事業で成功するかもしれませんね。
日大アメフト部の会見を通して、言いたいことは分かりましたが多くの人が指摘するように、被害者側やメディアへの対応が悪すぎますよね。
今後どのように動いていくか注目されますが、将来的に日大へ入学したいと思う生徒や保護者が激減することは間違いないと言われています。
内田正人氏は日大の常務理事を続けるんでしょうか。
会見では謹慎すると言っていましたね。
日大に対しては、トップである理事長・田中英壽(たなか ひでとし)氏、学長・大塚吉兵衛(おおつか きちべえ)氏を含めた全面刷新をして組織全てを変えない限り復活はないとの見方も。
どうなっていくんでしょうね。
最後まで見ていただきありがとうございました。
次の記事もお楽しみに。
では!