毎年11月の第3木曜日に解禁(発売開始)となるボジョレー・ヌーボー。
フランスのボジョレー地方でその年に収穫されたブドウで作られるボジョレー・ヌーボーは、軽くフルーティーなのが特長です。
これまでボジョレー・ヌーボーというと赤ワインでしたが、近年ボジョレー・ヌーボーの白やロゼも店頭に並ぶようになりました。
普段ワインを飲まないから赤ワインはちょっと・・・という方でも白ワインやロゼワイン。
今回はそんなボジョレー・ヌーボーの白やロゼのオススメや飲み方・合う料理についてご紹介します!
- ボジョレーヌーボーの白・ロゼって?
- ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方
- ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼに合う料理(おつまみ)
また、ボジョレー・ヌーボーの解禁日や賞味期限、美味しい飲み方については別の記事を書いていますので、よかったら読んでみてくださいね!
▶ ボジョレーヌーボーの解禁日とは?なぜ日にちが決まっていないの?
▶ ボジョレーヌーボー2016の解禁日はいつ?消費期限はあるの?
▶ ボジョレーヌーボーの美味しい飲み方や合う料理(つまみ)は?
▶ ボジョレーヌーボーの値段の違いは味の違い?当たり年って?
ボジョレーヌーボーの白・ロゼって?
ボジョレー・ヌーボーはフランスのボジョレー地方で収穫される「ガメイ種」というブドウを、MC(マセラシオン・カルボニック)法と呼ばれる急速発酵技術を使って急速に醸造したものです。
本来なら数ヶ月はかかるワインの醸造ですが、急速発酵に向いている「ガメイ種」のブドウを使うことで、ブドウを収穫したその年に、たった数週間で飲むことができる新酒が出来上がります。
フランスではワインの製造・販売に細かい規制があり、ボジョレー・ヌーボーとして認められていたのは長い間赤ワインのみでした。
もともとは、その年に採れたブドウの出来を確認するための「試飲用」だったボジョレー・ヌーボーですが、2000年頃から日本を中心に海外での人気が高まり、フランスの輸出産業の中でも大きな位置を占めるようになりました。
急激な輸出量の増加により生産が追いつかず、発酵を早めるための酵素を入れすぎたりしてボジョレー・ヌーボーの品質が大きく落ちてしまった時期もあり、一時期は「ボジョレー・ヌーボーはバナナの匂いがする」とまで言われてしまったこともありました。
しかし生産者の努力もあり、その後品質も回復し、現在も日本を始め世界中に輸出されています。
日本でのボジョレー人気は本国フランスでもしばしば話題になるほどで、実際に日本での2014年のボジョレー・ヌーボーの消費量は、本国フランスの700万本を超える、730万本だそうです。
そして、そんな日本のボジョレー・ヌーボーファンの要望に応える形で作られたのが、ボジョレー・ヌーボー・ロゼです。
ボジョレー・ヌーボー・ロゼが最初に発売されたのは、2006年のことで、日本での発売でした。
本国フランスで発売になったのが2007年ということからも、もともと日本向けに作られたものだということがわかりますよね。
特に、「25歳から40歳の日本人女性を対象に」作られたというのですから、なんだかフランス伝統のワインとはまた異なる雰囲気ですね。
ボジョレー地方ではもともと白ワインロゼワインも存在しているのですが(ロゼワインは1936年に正式にボジョーレワインとして認められている)、「ボジョーレー・ヌーボー」と同じマセラシオン・カルボニック法で製造されたロゼワインというのが、存在しなかったんです。
しかし、ボジョレー・ヌーボーの時期に特にワインが売れる日本で、「ロゼや白があったらいいのに」という要望が生まれ、それによってボジョレー・ヌーボーのロゼが作られるようになったんですね。
ちなみにこうして日本のために生まれたボジョレー・ヌーボー・ロゼですが、2007年のフランスでの発売以来じわじわと人気を得ていて、2014年には70万本の生産がありました。
そして、最近ボジョレー・ヌーボーの白ワインとして販売されているものは、正式にはボジョレー・ヌーボーではありません。
ボジョレー・ヌーボーの赤ワインやロゼワインを生産しているボジョレー地区では、主に栽培されているのは赤ワイン向けの「ガメイ種」のブドウで、白ワインの製造もあるにはありますが、赤ワイン用のブドウの収穫が終わった後に少し白ワイン用を収穫するだけなんだそうです。
もともと「ガメイ種」のブドウでボジョレー・ヌーボーを生産するだけでも相当な量なのに、白ワインまで作っていたら大変ですよね・・・。
ということで、ボジョレー・ヌーボーの白ワインとして売られているのは、ボジョレーと同じブルゴーニュ地方の中でも南に位置する、マコネ(Mâconnais)という地域のものです。
日本ではマコネ地域のマコン・ヴィラージュという村で白ワイン用の「シャルドネ種」のブドウから作られた新酒「マコン・ヴィラージュ・ヌーボー」が主にボジョレー・ヌーボーと並んで販売されています。
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方
それでは次に、ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方をご紹介します。
美味しい飲み方といってもそんなに難しく考えることはありません。
気にした方がいいのは、以下の3点です。
1、温度
2、グラスの種類
3、鮮度
ではひとつづつ説明していきますね。
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方:温度
ボジョレー・ヌーボーにかかわらず、ワインには飲むのに適しているとされる温度があります。
例えば、赤ワインでいうとボジョレー・ヌーボーは11℃〜13℃、ブルゴーニュ地方など軽めの赤ワインは15℃〜16℃、ボルドーなどの重めのワインは15℃〜18℃で提供するのが理想的と言われています。
いろいろと細かい赤ワインに対して、白ワインやロゼワインは冷やして飲むものなので、比較的シンプルです。
特に新酒であるボジョレー・ヌーボー・ロゼやマコン・ヴィラージュ・ヌーボーは、軽くて新鮮でフルーティーなのが特徴なので、よく冷やして飲む方が美味しくいただけます。
一般的に白ワインは5℃〜6℃が飲みごろ、ロゼワインは7℃〜10℃が飲みごろですので、それ以上高い温度にならないよう、飲む直前まで冷蔵庫に入れておくといいですね。
温度の目安としてはマコン・ヴィラージュ・ヌーボー(白)は冷蔵庫に、ボジョレー・ヌーボー・ロゼは野菜室に半日くらい入れておけばだいたいそのくらいの温度になりますよ。
開栓後も、ワインクーラーを利用したり、その都度冷蔵庫にしまうなどして、温度が上がってしまわないようにしましょう。
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方:グラスの種類
気軽に飲めることのできるボジョレー・ヌーボー。
ワイングラスもそんなに気にしなくても大丈夫ですが、特に美味しくいただくためのグラス選びのポイントを5つ紹介しますね。
1、白ワイン用のグラスを選ぶ
2、なるべくガラスが薄いものを選ぶ
3、飲み口が広くないものを選ぶ
4、空気に触れる部分が少ないものを選ぶ
5、手に触れる部分が少ないものを選ぶ
1、白ワイン用のグラスを選ぶ
白ワイン用のグラスは、赤ワイン用のグラスに比べてすっとスマートになっています。
赤ワインは、グラスの中でワインを空気に触れさせて香りを出し、飲み口が少し狭いことでその香りを濃縮して感じられるように、ぽってりとした形をしています。
白ワインの場合は、冷たいまま口元まで運ばれた方がいいので、余分なカーブがない方がすっと口に入っていいです。
2、なるべくガラスが薄いものを選ぶ
冷たく冷やした白ワイン・ロゼワインの冷たさを唇で感じることができるので、ガラスは薄いものがオススメです。
3、飲み口が広くないものを選ぶ
NG例↓
飲み口が広いと、せっかくのフルーティーな香りが逃げてしまいます。
4、空気に触れる部分が少ないものを選ぶ
NG例↓
なるべく空気に触れる面積が少ない方が、酸化を防ぐことができて風味を損なわず、冷たい状態で楽しむことができます。
5、手に触れる部分が少ないものを選ぶ
NG例↓
これも、手の温度で白ワインやロゼワインがぬるくなってしまわないためです。
ワイングラスで飲むときも、できるだけピエ(グラスの足の部分)だけを持つようにしましょう。
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方:鮮度
買ってから何年も保存して熟成することで美味しさが増すワインと違って、ボジョレー・ヌーボーは新鮮さを味わうワインです。
ですので、良い状態で保存しても半年、できるだけ年内には飲みきることが推奨されています。
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼに関してもそれは同じで、買ってきたらなるべく冷蔵庫に入れて保管することをオススメします。
冷蔵庫にいれておけば、ある程度日持ちはしますが、あまりもったいぶらないでせっかくなのでその年のうちか、新年のお祝いくらいで飲んでしまうのがいいと思います。
また、他の軽い白ワインやロゼワインも同様ですが、開けたらその日のうちに飲みきるか、きちんと栓をして冷蔵庫に保管し、翌日には飲み終わるようにしましょう。
(ボジョレー・ヌーボーに限らず、ロゼワインのコルクがプラスチックなのは、再び栓ができない=開けたら飲みきるという原則からです)
ボジョレー・ヌーボー(赤)の保存法について触れている記事が別にありますので、よかったら読んでみてくださいね!
▶ ボジョレーヌーボー2016の解禁日はいつ?消費期限はあるの?
ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼに合う料理(おつまみ)
最後に、ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼに合う料理(おつまみ)をご紹介します。
ボジョレー・ヌーボーの白(マコン・ヴィラージュ・ヌーボー)に合う料理・おつまみ
フランスのサイトで、マコン・ヴィラージュ・ヌーボーに合う料理として紹介されている料理やおつまみを紹介します。
フランスではアペリティフ・前菜・主菜・チーズというふうに順番に味わうことが多いですが、日本の場合は適当に取り合わせておつまみ感覚でいただくと良いと思います。
やぱり白ワインということで、魚介の料理が多いですね。
この中から「イカのプロバンサル風」の作り方を紹介します。
イカのプロバンサル風の作り方
イカ(冷凍でも可):1kg
オリーブオイル:35g
コニャック:40g
料理用白ワイン:50g
トマト缶:1kg〜1,2kg分
塩:2g
コショウ:適量
生クリーム:250g
*作り方*
1、イカを一口大に切り、オリーブオイルを入れたフライパンで水気がなくなるまで火を通す
2、コニャックを加えてフランベし、水気がなくなるまで弱火で加熱する
3、白ワインを加えて数分弱火で香りを出す
4、トマト缶・塩・コショウを加え、混ぜながら10分ほど煮込む
5、生クリームを加え、さらに10分ほど煮込む
6、温かいうちに、米と一緒にいただく
簡単そうですよね。
ぜひ、作ってみてください。
フランスでも最近はお寿司やお刺身がかなり浸透しています。
それだけワインにも合うということなので、お寿司やお刺身と合わせてもいいですね。
ボジョレー・ヌーボーのロゼに合う料理・おつまみ
ボジョレー・ヌーボー・ロゼに合う料理は、ボジョレー・ヌーボーの赤ワインとほぼ同じ、リヨン料理や豚肉加工品(ハム・サラミなど)・チーズ・魚介類です。
ボジョレー・ヌーボー(赤)に合う料理やおつまみについては、こちらの記事でも詳しく書いていますのでよかったら読んでみてくださいね!
▶ ボジョレーヌーボーの美味しい飲み方や合う料理(つまみ)は?
また、通常ロゼワインをよく飲む地方は南仏なので、南仏の料理やおつまみもボジョレー・ヌーボー・ロゼに合います。
簡単に作れる南仏の料理とおつまみをふたつ、紹介しますね。
ボジョレー・ヌーボー・ロゼに合う料理:ラタトゥイユ
ナス:4本
ズッキーニ:2本
パプリカ(赤でも黄色でも):2個
玉ねぎ:2個
セロリ:2枝
トマト:6個
トマトジュース:200ml
ニンニク:2かけ
ローリエ:3枚
オリーブオイル:大さじ4杯
塩・コショウ:適量
バジル・タイム:適量
*作り方*
1、ナス・ズッキーニ・セロリ・トマトは角切りに、玉ねぎはスライス、パプリカはさく切りにそれぞれカットする
2、すべての材料を鍋に入れ、全体にオリーブオイルをなじませたら4時間中火で煮込む
簡単でヘルシーなラタトゥイユです。
温かいままでも、冷やしても美味しく食べられ、ロゼとの相性もぴったりです。
オリーブのプロバンサル風
グリーンオリーブ:1缶もしくは1瓶
オリーブオイル:適量
乾燥タイム・ローズマリー・オレガノ・バジル:適量
*作り方*
グリーンオリーブをボールにあけ、オリーブオイルとハーブを和えるだけ
これもさっとでき、ロゼによく合うおつまみです。
通販などで、エルブ・ド・プロヴァンス(herbes de Provence)という南仏ハーブミックスも手に入ります。
このエルブ・ド・プロヴァンス(herbes de Provence)は、フライドポテトに和えたりしてもとっても美味しいですよ。
以上、
- ボジョレーヌーボーの白・ロゼって?
- ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼの美味しい飲み方
- ボジョレー・ヌーボーの白・ロゼに合う料理(おつまみ)
の内容でお送りしました。
いつもの赤のボジョレー・ヌーボーに加えて、今年はロゼや白も美味しく試してみてくださいね!