テレビやCMなどで耳にすることも多いAO入試。
STAP細胞で世間を賑わせた小保方さんも早稲田にAO入試で入学したそうですが、そもそもAO入試ってどういうものなのでしょうか?
これからの子育て世代にも気になるAO入試の一般入試との違いや出願方法、試験の時期や倍率・試験対策についてお送り致します。
AO入試とは?
AOとは、アドミッションズ・オフィス(入学管理局)の略で、「学力以外の視点で大学にふさわしい人物を募集する入試」として多くの大学で実施されており、私立大学ではおよそ70%の大学が導入しています。
「一芸入試」もAO入試のひとつで、女優の広末涼子さんもAO入試で早稲田大学に入学しました。
AO入試というのは自己推薦などに似た入試形態で、 学力では測れない個性豊かな人材を求めることを目的としていて、学力よりも目的意識や熱意・意欲を重視しています。
そのため、面接や志願理由書などを主な選考基準としています。
このような自己推薦型の受験形態は、学校によって一芸入試、AO入試、自己推薦入試、公募制推薦入試等、名称は様々です。
スポーツ推薦や特別推薦では一般的に学力はあまり問われないのに対し、これらは「基礎学力がある」ことを前提とした受験制度で、一部の学部(主に医学部・歯学部・薬学部等)においては、大学入試センター試験または大学独自の個別筆記試験を課すことがあります。
選考方法は大きく分けるとふたつ(対話型・選抜型)あります。
対話型では、エントリー(申込)の際に、大学指定のシートに志望理由や自己アピールなどを記入し、提出します。
その後、提出書類をもとに面談(2回程度が多い)を行い、大学側と受験生が合意に達すれば「内定」し、正式な出願の前に原則として全員合格するというものです。
選抜型は、入試の流れは公募制推薦に近く、志望理由書や自己アピールなどの出願書類を提出し、面接はその内容をもとに行われます。
選考方法に「模擬講義受講」「プレゼンテーション」「グループ討論」などを採り入れる大学もあります。
AO入試と一般入試との違いは?
一般入試が、各科目の得点によって合否が確定するのに対し、AO入試は内申書、活動報告書、学習計画書、志望理由書、面接、小論文などにより出願者の個性や適性に対して多面的な評価を行い合格者を選抜することが大きな違いです。
また、試験日や選考日が一般入試よりも早く、秋口から年内、早ければ夏休み前にも合否結果が出ることがあります。
そのため、AO入試を行っている大学の74%の大学が、空白時間の間に「入学前教育」を行っています。
これは、高校3年生半ばにして大学入学が決まって勉強をしなくなることによる学力の低下を防ぐ目的もあるようです。
それでも、「AO・推薦入試」が、「大学生の学力低下につながっている」と危惧する声は多く、学力を担保するために、新たに設ける学力試験「高大接続テスト」(仮称)を実施すべきとの検討がなされているそうです。
AO入試の出願方法や時期は?
さまざまな視点から大学にふさわしい人物をじっくり選考するAO入試は、大学ごとに選抜方法や時期が大きく異なりますので、志望校が決まったらなるべく早く、その大学のHPなどで確認しましょう。
また、テレメール進学サイトでは、全国の国公立・私立大学の願書や資料を取り寄せることができます(送料がかかる場合もあります)。
志願校の候補がいくつがあがった時点で早めに資料請求をするといいかと思います。
出願受付は8月1日以降ですが、早いところでは高3の春からエントリー受付の場合もあるため、志望大のAO入試の時期について高2のうちから調べておく必要があります。
また、志望動機について深く問われる傾向があるので、その大学・学部について深く知る努力が必要です。
AO入試では志望大のオープンキャンパス参加が出願条件になっている場合もあるなど、学力以外の面も評価の対象になるため、保護者の知識やサポートも欠かせません。
志望動機についての小論文は特に重要な選考要素になりますので、できるだけ早い段階からしっかりと準備をすることが大切です。
AO入試の倍率や対策は?
AO入試の倍率は1,8倍ほどだと言われていますが、これは最後に行われる本試験を受けた人が合格した率を表したものなので、実際にはこの本試験にたどり着く前に、多くの人が選考で落とされてしまうようで、実際の倍率は高いところで6倍ほどのようです。
AO入試では、内申書、応募書類、実技試験(口頭試問)、面接のどれもが重要になります。
内申書:学校の評定平均を見て、悪い人はまず、足きりをされる場合が多く、欠席や遅刻が多い人も評価は悪くなるそうです。
英検1級などあると有利で、逆に英検3級とかなら書かないほうがいいくらいだそうです。
応募書類:志望動機や課題(例えば、高校時代に読んだ文学作品で感銘をうけたもの)などについて、きれいな字・きちんとした文章で内容もしっかりとしている必要があります。
自分で書いたのかな?と思うくらいの出来でも、結局はよく書けているものが選ばれることが多いようです。
動機については、高校時代に打ち込んだことが大学の志望動機にもつながっているものが良い傾向にあるようです。
(文系に入るのに、サッカーに打ち込んでました!とかいうのは関係ないのでダメです)
また、志望動機に関係することであれば、どんな小さな賞でももらっていれば書いたほうがいいそうです。
実技試験(口頭試問)と面接の流れは以下のようになっています。
実技試験(口頭試問):文系だと、その場で本を読ませて内容を簡潔に説明させるとか、理系だと実験をさせてレポートを書かせるといった内容で、学力試験がない代わりに、能力を見るための試験です。
どういう課題が課されるかわからないので、過去問を見たりして参考にしたりして、どんなことを要求されてもパニックにならず冷静にできるようにすることが重要です。
面接:相手が何を聞きたいかをきちっととらえて、自分の意見や考えをはっきりききとりやすい口調で伝えることが大切です。
先生や親に練習台になってもらって、何度も練習をしましょう。
難しい質問や、嫌味に聞こえるような質問(英語が得意って書いてある割には成績悪いよね、など)を受けても黙ってしまわず、明るく返せることが大切です。
また、「やる気があります」だけでなくきちんと自分をアピールできるよう、どんな専門書を読んで勉強したか、どんな経験が今の自分を形成したかなど自己アピールをきちんとできるよう内容を組み立てておく必要があります。
いきなり「今日ここに来るまでのことを英語で説明してください」などと言われる場合もあるそうです。
パニックになったり黙ってしまったりせず、簡単な英語でもきちんと文章を作って伝えられればOKです。
以上、
・AO入試とは?
・一般入試との違いは?
・出願方法や時期は?
・主な大学のAO入試倍率や対策は?
という内容でお送りしました。
きちんとした目的意識があって、志望大学に入ったらこれがやりたい!という気持ちがあるならば、しっかりと準備をしてAO入試に臨んでみるのもいいかもしれないですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。