ストレステストとは?定義や意味は?銀行(金融)・IT・原発分野の導入方法も

    暴言・暴力問題で話題となっている豊田真由子衆議院議員が秘書に対して「ストレステスト」をやっているといって波紋が広がっています。

    巷では
    「人に対してやるものなの?」
    「事前に告知してやるものでは?」
    という意見が多いようですね。

    そもそもストレステストとはどういうものなんでしょうか。

    今回はストレステストの定義を調べてみます。

    もくじ

    ストレステストとは?

    ストレステストのイメージ画像
    ストレステスト(Stress Test)というのは、物や仕組みなどに対していつも以上のストレス(負荷)を加えて問題なく動くかどうか、要するに見えない欠陥(瑕疵)が存在しないかどうか確認するリスクの回避方式の一種です。

    耐久試験ともいいます。

    ストレステストは大きく分けて以下の分野で用いられます。

    • 経済
    • 原子力発電所
    • 機械・電気・IT
    • 生物・育種

    経済・金融分野におけるストレステスト

    ストレステストの経済・金融分野のイメージ画像
    経済分野におけるストレス・テスト(健全性検査)というのは、金融機関とか国の機関等の運営行動などが健全なのかを確認するテストです。

    通常のテストと違い、対象にとって極端に不利な想定(負荷)をセッティングし、その結果として自己資本割合(金融機関)等が一定レベル範囲内に留まるのかどうかを見極めるものです。

    ストレステストによって、株式市場やトレーダーの心理的不安を抑えることを可能になります。

    経済・金融分野でストレステストが行われるようになったのは2009年からということでまだ最近なんです。

    そのため、どの程度のストレスをかけるか、といった数値の基準はまだしっかりと決まっていません。

    今後世界中の様々な機関で、サンプルを集めて数値の標準化が図られていく模様です。

    原子力発電所におけるストレステスト

    ストレステストの原発に適用されるイメージ画像
    日本の東日本大震災に伴う福島第一原発(東京電力)の重大事故を受けて、EUの諸国が保有している原子力発電所の健全性をチェックすることを目的として作り出した安全性チェック方法です。

    2011年の福島第一原発では、押し寄せた想定外の高さの津波により、分散配置していた電源の全てが失われてしまいました。

    その結果メルトダウンを起こしたんです。

    それを今後に活かすために、現在の基準以上の事態に陥ったケースで重大事故に繋がるかどうかを確認するテストとなっています。

    実際に行う仕事は、現状の原発において、

    • 想定している基準を大きく超える災害(津波等)
    • 武器等による攻撃(テロ)
    • 外的要因の事故(飛行機・ヘリコプターの墜落など)

    などが起こった時に陥る状況を、コンピュータ模擬実験によって予測するします。

    地震の場合は、原発の建物が破壊される規模の地震力を加え、原子炉等がどのような状態になるかをシミュレーションします。

    その結果福島第一原発のような重大事故が起きるという判定が出た場合は運転を停止し、改善点を調べて改修等を進めるというものですね。

    EUではストレステスト結果の公表が義務とされています。

    IAEA(国際原子力機関)は、EUでのストレステスト実施を受けて、全世界の原発保有国すべてでストレステストを導入するよう提言しています。

    日本は、これまでに費やした原発に対する費用をもったいないと感じる向きが多く、ストレステストをまともにやってしまうと全ての原発が実質使用不可能となってしまうことを恐れて、本格的なストレステストに及び腰です。

    しかし、無駄にしてしまうことをもったいないと考えるのではなく(サンクコスト=埋没費用)、より安全を求めて最善の判断をしてほしいですよね。

    機械・電気・IT分野におけるストレステスト

    ストレステスト(IT分野)のイメージ画像
    この分野のストレステストは日本では昔から行われてきました。

    日本製品が優秀なのは、ストレステストの賜物だと言っても過言ではないでしょう。

    機械部品や基盤の耐久性を確認するために、基準を大きく超える電圧・電流・温度・振動等の負荷を加えることでテストします。

    半導体・パソコン製品には、クロック周波数を定格よりも高く設定してロードする「オーバークロック」が行われます。

    車や重機・列車・飛行機などの乗り物は、スピードや積載重量を増大させることでストレステストします。

    ITでは、コンピューターのアプリケーションに、基準を超えるデータ量・回数の負荷をかけて、安定性を確認します。

    プリンターやエアコン等の家電製品では、定格運転によるストレステストが実施されます。

    例えばプリンターでは、通常では使用しないような途方もない量の印刷が問題なく出来るように設計されています。

    そういった作業が実際に出来るかどうかを確認するのです。

    生物・育種分野におけるストレステスト

    ストレステスト(育種)のイメージ画像
    主に野菜等の種(育種業)で、温度や湿度(乾燥)、雨量、日照時間・量、肥料や農薬等の添加物量による影響を、さまざまな状況・環境下でストレステストします。


    ストレステストには、以上のような定義があるんですね。

    この中に「人間関係におけるストレステスト」は無いです(^^)
    豊田真由子衆議院議員がおこなっているというストレステストは、ストレステストではなく「パワハラ」や「モラハラ(モラルハラスメント)」に該当するのではないかと言われています。

    今後、もっと多くの分野でストレステストが開発されていくと思われます。

    その際、人間関係等に関してもストレステストが作られるかもしれません。

    ですが、きちんと管理された中で行われるものですから、個人が勝手に行うというのはやめたほうが良いですね。

    NASAやJAXAの訓練で行われていると言われる「グリーンカード」が有名ですが、必ずしも内容を事前告知しません。

    ただし、あらゆる事態を想定して管理されながら行われていますから、簡単に真似をスべきではないです。

    豊田真由子衆議院議員と秘書の問題に関しては今後同じような事例が多く出てきそうですよね。

    自分の周辺も含めて注視していこうと思いました。

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

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