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敬老の日の由来や意味は?いつから祝日?子供に簡単に説明すると?

敬老の日の由来や意味は?いつから祝日?子供に簡単に説明すると?
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毎年9月の第3月曜日は、敬老の日ですね。

でも、そもそも敬老の日ってどうして始まって、どういう意味があるんでしょう?
今日は、敬老の日の由来や意味についてまとめてみたいと思います。

子供に簡単に説明するための例文もありますよ。

  • 敬老の日の由来や意味は?
  • 敬老の日はいつから祝日?
  • 敬老の日を子供に簡単に説明すると?

もくじ

敬老の日の由来や意味は?

普段何気なく使ったりお祝いをしたりしている日本の行事ですが、何気にその由来や意味を知らないことってありますよね。

敬老の日についても、その由来や意味を知らなかったという人も多いのではないかと思います。

そこで、敬老の日の由来や意味についてまとめてみました。

敬老の日の由来

敬老の日の由来には、3つの説があります。

1つは、聖徳太子が建設した「悲田院」に由来するとする説

2つめは、兵庫県多可郡野間谷村の村長と助役が提唱したのが由来とする説

そして3つめは、欽明天皇が養老の滝に御幸した日を由来とする説です。

それぞれの説について、見ていきましょう。

敬老の日の由来1:聖徳太子が建設した「悲田院」

敬老の日の由来は、古く、593年にまでさかのぼります。

593年、当時推古天皇のもと摂政として政治に関わっていた聖徳太子が、大阪に四天王寺を建立しました。

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さらに聖徳太子はその四天王寺の中に、隋(現・中国)に習って「悲田院」という建物を建てました。

「悲田院」というのは、身寄りのない老人を収容して生活のお世話をする、現代の老人ホームのような福祉施設で、完成したのは593年9月15日のことでした。

身寄りのない老人のための施設を聖徳太子が日本で初めて作ったこの「9月15日」という日付が、お年寄りのための日である敬老の日に受け継がれたというのが、第1の説です。

ちなみに、この四天王寺の悲田院跡には今も「四天王寺悲田院特別養護老人ホーム」があります。

敬老の日の由来2:兵庫県多可郡野間谷村の村長と助役が提唱

兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町八千代区)で1947年、当時の村長だった門脇政夫氏と、当時助役だった山本明氏は、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という考えを打ち立てました。

野間谷村の元村長・門脇政夫氏
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そして、1947年9月15日、お年寄りの意見を聞いて村の政治に生かす集まり「敬老会」を開催し、以後9月15日を「としよりの日」と定めました。

なぜ9月15日だったのかというと、ちょうど9月の中頃は農業がひと段落する農閑期にあたるためで、天気の良い日だったからなんだそうです。

それまでの日本には、お年寄りのための日を特別に設けるという習慣がなかったため、この野間谷村の取り組みは全国的に評価されました。

その後、1950年からはこの「としよりの日」の集まりが兵庫県全体で行われるようになり、徐々に日本全国に広がっていきます。

そして1951年に中央福祉協議会によって「としよりの日」と定められたというのが、第2の説です。

敬老の日の由来3:元正天皇が養老の滝に行幸した日

敬老の日の由来の3つめとされているのが、元正天皇(680-748)が岐阜県養老郡にある養老の滝に行幸(天皇が遠くへ外出すること)した日という説です。

養老の滝(所在地:岐阜県養老郡養老町養老公園)
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平安時代以前の出来事をまとめた「古今著聞集」によると、昔、こんなお話があったそうです。

養老の滝のお話
時は奈良時代、元正天皇の時代です。

美濃の国(現在の岐阜県南部)に、貧しい男が年老いた父と住んでいました。

男は父をとても大事にしていて、毎日蒔(まき)を集めては、わずかなお金を稼いで父を養っていました。

父は大変な酒好きで、毎日朝から晩までお酒が飲みたいというので、男はなけなしのお金からたまにお酒を買ってあげていましたが、父が満足する量のお酒を買ってあげることができません。

「あぁ、父はあんなにお酒が飲みたいと言っているのに、自分には父を満足してあげられるだけのお酒を買ってあげられる財力がない。

自分はなんて不甲斐ない息子なんだ・・・・。


そんな風に男が悩んでいたある日のこと。

いつものように山に蒔を取りに行ったおことは、足を滑らせて転んでしまいました。

「いたたた・・・」と起き上がろうとした男の鼻に、なにやら甘い香りがぷ〜んと漂ってきます。

香りがする方を見ると、目の前の岩と岩の間を流れる水が、やけに濁っていていい香りを放っていました。

試しに舐めてみると、なんとそれは水ではなく、お酒でした。

それも、ただのお酒ではなく、これまで味わったことのないほどの美味しいお酒だったのです。

その時真っ先に男の頭に浮かんだのは、父のことでした。

「この酒を持って帰ってあげたら、きっと父は喜んでくれるに違いない」
そう思った男は、何度も家と湧き水の間を往復して、その名水を大量に父の元に運んであげました。

すると、あれほど「酒がもっと飲みたい」と言っていた父が、ついに「もうこれ以上は飲めない!」と言ったのです。

男はそれを聞いて大変喜びました。

この話を伝え聞いた元正天皇は、「それはきっと、日頃から父を思いやる男の気持ちを神様が感心して、この上ない美味しい酒を湧き出させたに違いない」といたく感動しました。

そして、「その湧き水を『養老の滝』と名付け、後世まで男の親孝行を讃えましょう」と、滝の名前をつけ、さらには年号も「養老」と変えてしまいました。

それほどまでに「養老の滝の物語」に感動した元正天皇が、実際に養老の滝を訪れたのが、9月15日だった、という説です。

これら3つの説のうち、実際にどの説が直接の由来なのかはわかりませんが、「9月15日」にお年寄りを思いやり孝行するという出来事が重なっているというのは、不思議な偶然ですね。

敬老の日の意味

内閣府が発表している「国民の祝日に関する法律」によると、敬老の日の定義は以下のようになっています。

多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。


敬老の日は、お年寄りに対する尊敬の気持ちを改めて感じ、長寿をお祝いしましょうという日なんですね。

また、お年寄りの生活や福祉についての関心を深めて、お年寄りがより良い生活を送れるように努めるよう若い世代に促すという意味合いも込められています。

これからますます高齢化社会となっていく日本で、非常に重要なテーマですね。

では、何歳からこの長寿のお祝いを受けることになるかというと、数え年(※)で61歳(満60歳)になる「還暦」からお祝いするのが習わしです。

(※)数え年とは、誕生日ではなく1月1日にひとつ歳を取るという考え方
よく還暦のお祝いで赤いちゃんちゃんこをプレゼントしてお祝いしますよね。

これは、60年経って、自分が生まれた干支が一巡してまた0に戻る(=赤ちゃんに戻る)という意味なんだそうです。

これは、日本で干支というと十二支ですが、もともと中国ではこれに「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干を組み合わせ、12と10の最小公倍数である60が干支の1周期とされているからです。

赤ちゃんに戻ってまた0から始まるお祝いということで、赤ちゃんが着る赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾でお祝いするんですね。

敬老の日はいつから祝日?

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敬老の日が、日本の祝日として制定されたのは、1966年です。

現在は9月の第3月曜日が敬老の日の祝日となっていますが、もともとは由来にもあるように、9月15日が敬老の日の祝日とされていました。

現在の「敬老の日」が決まるまでの流れを少し見てみましょう。

兵庫県の野間谷村で「としよりの日」が決められたのが1947年。

それが全国的に広まり、中央社会福祉協議会(現在の全国社会福祉協議会)が9月15日を「としよりの日」と定め、9月15日から21日までの1週間を運動週間としたのが1951年でした。

しかし、この「としよりの日」という名称に、各地から抗議の声が上がります。

「人を年寄扱いするとはどういうことじゃ!」というわけですね。

確かにお年寄りのための日ではありますが、年寄と呼ばれるのはあまり気持ちの良いものではないですもんね。

というわけで、1963年に制定された老人福祉法では、9月15日が「老人の日」、9月15日から21日までが老人週間と定められました。

しかし、この「老人週間」という名称も、全国から反発を買ってしまいます。

まだまだ元気で長生きしようとしている人に対して「老人」とはいかがなものか、ということですね。

そこで、1966年にこの日を祝日に加えるにあたって、「敬老の日」とし、老人福祉法での記載も「老人の日」から「敬老の日」へと変更されたというわけです。

こうして1966年以降、毎年9月15日が敬老の日の祝日とされていましたが、2001年に行われた祝日法改正によって、2003年からは9月第3月曜日に変更されました。

この祝日法改正は、いわゆる「ハッピーマンデー制度」というもので、せっかくの祝日が日曜日に重なってしまったり、平日の飛び石休暇になってしまうことを防ぐために定められたものです。

一般的に土日祝がお休みのお仕事の方や、学生は、3連休できるという嬉しい制度ですね。

しかし敬老の日が9月第3月曜日に変更された当初、敬老の日の生みの親とされている人物のひとり、野間谷村の元村長の門脇政夫氏が存命だったために、日付の変更について遺憾の意が表明されました。

その門脇政夫氏に賛同して、全国の高齢者団体からも反発の声が多く上がったため、政府は2001年に老人福祉法第5条を改正して9月15日を老人の日、9月15日から21日までの1週間を老人週間と制定しました。

ということは、1年に「老人の日」と「敬老の日」があるということなんですね。

敬老の日を子供に簡単に説明すると?

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最後に、敬老の日を子供にもわかりやすく簡単に説明する例をいくつかご紹介します。

敬老の日って何の日?と聞かれたら・・・。

  • おじいちゃんやおばあちゃんに、いつもありがとうっていう日だよ
  • おじいちゃんやおばあちゃんに、元気で長生きしてねっていう日だよ
  • 今日はおじいちゃんやおばあちゃんのお手伝いをしてあげる日だよ
  • シンプルですが、いちばん分かりやすいかなと思います!
    どうして「母の日」「父の日」みたいに、「おばあちゃんの日」じゃないの?と聞かれたら・・・。

  • 〇〇ちゃんのおばあちゃんだけじゃなくて、他のおじいちゃんおばあちゃんもお祝いする日だからだよ
  • こう伝えてあげると分かりやすいかなと思います!


    以上、今回は

    • 敬老の日の由来や意味は?
    • 敬老の日はいつから祝日?
    • 敬老の日を子供に簡単に説明すると?

    という内容でお送りしました。

    9月の第3月曜日、ぜひおじいちゃんやおばあちゃんに会いに行ってみてくださいね!
    最後まで読んでいただきありがとうございました。

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