日本の国技、相撲。
貴乃花親方の動向が注目されている大相撲。
平日の午後にNHKで中継をしているのを目にすることはあるものの、実はルールをよく知らないという方もいらっしゃいます。
そこで今回は相撲のルールや壱岐市の階級による給料の違い、決まり手と禁じ手についてお送り致します。
相撲のルール
相撲のルールはシンプルです。
相撲をする人は「力士」、相撲の試合は「取組」といいます。
取り組みでは、廻しを締めたふたりの力士が競い合って勝敗を決めますが、それには3つのパターンがあります。
ひとつは、相手に土俵の外に足を置かせること、もうひとつは相手に足以外の場所を土に触らせること、そして反則をした場合は負けとなります。
判定は、「行司」と呼ばれる審判が行います(アマチュア相撲では主審)。
一般的には勝敗は1分以内に決まりますが、相撲にはレスリングやボクシングのような重量制限がないので、体重差が倍ほどもある力士同士が取組をする場合もあり、勝負が決まるまでに数分かかる場合もあります。
相撲をするためのリングは、「土俵」と呼ばれ、リングの直径は4.55メートルで、高さは0.6メートル、土俵の上には神道の神社のような屋根があります。
相撲のトーナメントは「場所」と呼ばれ、その中でもプロのトーナメントは「本場所」と呼ばれて、1年間に6回あります(東京では3回、大阪、名古屋、九州ではそれぞれ1回)。
場所は15日間続き、力士たちは1日1回の取り組みをし、場所の終わりに最も多く勝利した力士が優勝力士となります。
試合開始から決定には決まった流れがあります。
①塵手水(ちりちょうず)
大相撲の作法のひとつで、蹲踞(そんきょ、身体を丸くしてしゃがんだ状態)の姿勢で揉み手をしてから拍手を打ち、両手を広げた後、掌をかえすもの。
「塵を切る」「手水(ちょうず)を切る」とも言います。
「私は武器を持っていません、素手で正々堂々と勝負します」という意味だそうです。
②仕切り
円形の土俵に入って最初はやや離れて立ち、互いに顔を見合わせ、腰を落とし、仕切り線に拳をついて準備すること。
立ち会いが成立するまで繰り返す。
仕切りは何度行ってもよいが、HNKのラジオ放送の放送時間の都合上、現在の制限時間は幕内4分、十両3分と決められています。
また、繰り返さなくても良いです。
③立会い
拳をついた状態から、互いに目を合わせ、両者同時に立ち上がり、ぶつかる試合の始め方で、普通は正面からぶつかり合うものだが、必ずしもそうしなくても良い。
この「立会い」は、世界では見られない、日本独自の方法で、その開始は両者の暗黙の合意だけで決まります。
仕切りを繰り返すうちに、両者の気合いが乗り、共にその気になった瞬間に立ち上がるのが本来の形で、行司は一般のスポーツのように開始を宣言するのではなく、確認するだけです。
④勝ちの判定
勝敗が決まるのは、反則負けを除くと2パターンだけです。
- 相手の体のうちで、足の裏以外の部分を土俵の土に触れさせた場合。
投げて背中を着けても、引っ張って掌を着けてもよく、極端な場合には相手の髪の毛が着いてもその時点で相手の負けが決まります。
- 相手を土俵の外に出した場合。
相手の体の一部が土俵の外の地面に着いた時点で勝ちが決まる。
以上が相撲のルールです。
思った以上にシンプルなんですね。
相撲の力士の階級や給料はどう決まる?
力士の階級を一覧で表したものを「番付」といいます。
力士の番付には、上から順に10段階あり、人数の制限などもあります。
[memo title=”大相撲の番付”]
- 横綱 最高の地位。
いなくてもよい。
- 大関 2番目に優秀な地位。
必ず1名はいます。
- 関脇 東西に1名ずつ。
必ず1名はいます。
- 小結 東西に1名ずつ。
必ず1名はいます。
- 前頭 東西1~ 16枚目まで32名。
小結以上の力士数によって前頭の枚数は違います。
- 十両 東西1~ 13枚目まで26名。
正式には「十枚目」と言います。
- 幕下 東西1~ 60枚目まで120名。
- 三段目 東西1~ 100枚目まで200名。
- 序二段 約350名。
人数は固定していません。
力士数が最も多い
- 序ノロ 約100名。
人数は固定していません。
[/memo]
昇・降格は、番付編成会議で決定され、基本的には勝ち越せ(15場所中8勝以上)ば上がり、負け越せ(15場所中7勝以下)ば下がる、いう仕組みになっていますが、同じ地位で同じ成績をあげても、他の力士の成績との兼ね合いによる運不運が生じて、特に十両や幕内、三役への昇進のかかるケースもあり、問題視されています。
大相撲ではこの「番付」が全てと言っても良いほどで、階級によって給料だけでなく、待遇も大きく異なっています。
・横綱:2,820,000円
・大関:2,347,000円
・三役:1,693,000円
・平幕:1,309,000円
・十両:1,036,000円
力士の収入は、月給や褒賞金など協会から公表されているもの以外に、協会の理事会の裁断によるものや公表されていないもの、タニマチと呼ばれる後援者からのご祝儀などがあって、全貌をとらえるのは大変難しく、正確にいくらかわかりませんが、目安として月給はこのくらいと考えていいようです。
また、褒賞金は以下の金額を4000倍したものが支払われるそうです。
・十両 40円
・幕下以下 3円
・全勝優勝 50円
・優勝 120円
上記の基本金プラス、勝ち越し(15場所中8勝以上)の数が増えるごとに50円増し(9勝すれば100円)などと、組み合わせによって変化し、例えばひとりの力士の褒賞金が1000円とすると、4000倍した400万円が場所ごとに支払われる計算になります。
年額給与・年額賞与・特別手当・出張手当・力士補助金・力士褒賞金を合わせると、年額報酬は以下のようになります。
・平幕(前頭):20,586,000円
・十両:16,221,000円
(2006年の資料より)
幕下以下には支払われないそうです。
給料以外の待遇の違いは以下のようになっています。
幕下以下はチョンマゲだけ。
・序ノロと序二段は冬でもウールー重の着物だけで、マフラーやコートは幕下以上の力士だけが着用できる。
場所入りも十両以上は着物だが、幕下以下は浴衣。
・幕下以上の力士だけが足袋だが、三段日以下は素足。
履物も、序ノロと序二段は素足の下駄で、三段日以上は雪駄。
・土俵で締める廻し(締め込み)は、幕下以下は土俵でも稽古廻しと同じものを締めるが、十両以上は稽古廻しと異なる締め込みを締めることができる。
また、十両以上の締め込みは「絹」でできている。
・十両以上の力士だけが土俵入りできる。
・十両以上には付け人がつくが、幕下以下にはつかない。
本場所では十両で2~3人、幕内で2~5人、横綱で7~10人以上の付け人がつく。
このように、階級によって待遇の違いがあります。
これは日々の稽古にも身が入りますよね。
相撲の決まり手・禁じ手って?
決まり手というのは、勝敗を決めた際に「***で勝ちました」と言われる、決まり技のことで、現在は現在は技は82手、非技(勇み足などの自滅的なもの)は5つとされています。
- 突き出し
- 突き倒し
- 押し出し
- 押し倒し
- 寄り切り
- 寄り倒し
- 浴びせ倒し
- 上手投げ
- 下手投げ
- 小手投げ
- 掬い投げ
- 上手出し投げ
- 下手出し投げ
- 腰投げ
- 首投げ
- 一本背負い
- 二丁投げ
- 内掛け
- 外掛け
- ちょん掛け
- 切り返し
- 河津掛け
- 蹴返し
- 蹴手繰り
- 三所攻め
- 渡し込み
- 二枚蹴り
- 小股掬い
- 外小股
- 大股
- 褄取り
- 小褄取り
- 足取り
- 裾取り
- 裾払い
- 居反り
- 撞木反り
- 掛け反り
- 襷反り
- 外襷反り
- 伝え反り
- 突き落とし
- 巻き落とし
- とったり
- 逆とったり
- 肩透かし
- 外無双
- 内無双
- 頭捻り
- 上手捻り
- 下手捻り
- 網打ち
- 鯖折り
- 波離間投げ
- 大逆手
- 腕捻り
- 合掌捻り
- 徳利投げ
- 首捻り
- 小手捻り
- 引き落とし
- 引っ掛け
- 叩き込み
- 素首落とし
- 吊り出し
- 送り吊り出し
- 吊り落とし
- 送り吊り落とし
- 送り出し
- 送り倒し
- 送り投げ
- 送り掛け
- 送り引き落とし
- 割り出し
- うっちゃり
- 極め出し
- 極め倒し
- 後ろもたれ
- 呼び戻し
- 勇み足
- 腰砕け
- つき手
- つきひざ
- 踏み出し
・目またはみぞおちなどの急所を突く
・両耳を同時に両方の掌で張る
・前立て褌(相撲のまわしの、からだの正面で縦になっている急所の部分)をつかみ、また、横から指を入れて引く
・喉をつかむ
・胸・腹を蹴る
・指を持って折り返す
以上、
・相撲のルールって?
・力士の階級、給料はどう決まる?
・決まり手と禁じ手一覧
という内容でお送りしました。
これだけ把握できたら、次から相撲をテレビで観戦するときにもより楽しめそうですね。
参考にしていただけたら幸いです。