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オリンピック・2020で新種目に!空手のルールや競技人口は?

2020年の東京オリッピックで新しく種目に加わることが決定した、空手。

男女3階級ずつの組手・男女形の全8種目での採用となりました。

日本人には馴染みのある名前で、海外でもよく知られてはいる競技ですが、ルールなどについてはあまり知らないという方も多いかと思います。

そこで今回は2020年の東京オリッピックを思い切り楽しむためにも、新種目・空手のルールや競技人口についてお送り致します。

もくじ

オリンピックの新競技に!空手の歴史

空手道もしくは空手とは、琉球王国時代の沖縄で発祥した拳足による打撃技を特徴とする武道、格闘技です。

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空手道の起源には諸説がありますが、一般には沖縄固有の拳法「手(ティー)」に中国武術が加味され、さらに示現流など日本武術の影響も受けながら発展してきたと考えられています。

空手道は、大正時代に沖縄県から他の道府県に伝えられ、さらに第二次大戦後は世界各地に広まりました

沖縄固有の挙法「手(ティー)」は19世紀頃に「唐手(トゥーディー)」と名称が変わり、日本武術などの影響を受けて発展しながら、沖縄士族の間で密かに受け継がれていましたが、明治12年(1879年)、琉球処分により琉球王国が滅亡すると、士族たちは没落し、継承者がいなくなって消滅の危機にさらされます。

そんな危機的状況から唐手を救ったのが、糸洲安恒という人物でした。

糸洲の尽力によって、唐手はまず明治34年(1901年)に首里尋常小学校で、明治38年(1905年)には沖縄県中学校(現・首里高等学校)および沖縄県師範学校の体育科に採用され、その際に読み方も「トゥーディー」から「からて」に改められました

大正時代に本格的に本土へ唐手が沖縄の師範や生徒によって紹介され、昭和になってからは空手の師範が本土で本格的に指導を行うようになりました。

そして1933年(昭和8年)、唐手は大日本武徳会から、日本の武道として承認されました。

1929年(昭和4年)、船越義珍が師範を務めていた慶應義塾大学唐手研究会が般若心経の「空」の概念から「唐手」を「空手」に改めると発表したのをきっかけに、本土では「空手」の表記が急速に広まり、さらに他の武道と同じように「道」の字をつけ、「唐手術」から「空手道」に改められました

沖縄でも1936年(昭和11年)10月25日、那覇で「空手大家の座談会」が開催され、「唐手」から「空手」へ改称することが決議されました。

この背景には、「唐」という字が中国を連想するためといった、軍国主義的風潮への配慮もあったとされています。

また、昭和初期から、「防具付き空手」の研究が進められ、防具を使った組手空手の稽古も積極的に行われるようになりました。

初めて空手が競技として実施されたのは、1954年(昭和29年)に錬武舘が「防具付きルール」で実施した「第1回全国防具付空手道選手権大会」でした。

この大会は空手道界最古の全国大会として、現在も開催されています。

こうして競技としてのスポーツとなった空手ですが、当時の防具は安全性が十分に確保されていないものであり、危険度が高く、競技として普及するにはまだまだリスクの大きいものでした。

そのため、老若男女が安心して容易に取り組めるように考案された「寸止めルール」(技が腕や足が当たる寸前に止める)がだんだんと主流になってきました。

こうして1957年(昭和32年)には寸止め空手ルールによる「第1回全日本学生空手道選手権大会」が開催されました。

その後、様々な派閥やルールの違いなどによる流派が生まれましたが、1964年に「全日本空手道連盟」ができ、会派をまとめると同時に競技としての空手のルール管理や指導を行っています。

沖縄を起源とする元々の唐手とはかなりスタイルに相違が現れたことや型の解釈の相違が起こったこと、沖縄側が本土側に組み込まれることを嫌っていることもあり、琉球空手(沖縄空手)と本土の競技空手とが別々の派閥のようになり、沖縄空手はそのアイデンティティーをめぐって揺れている状態と言われています。

オリンピックの新競技に!競技としての空手のルール

空手の競技には、形部門と組手部門があり、空手のオリンピック競技化のために、組手部門を多様なルールの中から、直接攻撃アリの「フルコンタクト空手」と寸止めの「ノンコンタクト空手(寸止め空手、伝統空手とも)」の2種類のルールを、男女5階級でオリンピック種目化を目指すとされています。

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ルールが大きく異なるこのふたつの空手について、組手試合の進め方と、世界空手道連盟が定める組手のルールを紹介します。

空手の競技の進め方(フルコンタクト・ノンコンタクト共に流れは同じ)

  1. 競技開始の際、主審はまず競技者に所定の位置につくよう指示します。

    これより前に競技場に入ってはいけません。

  2. 競技者はお互いに正確に立礼しなければなりません。

    競技者は、主審の位置からみて右手に位置する者が赤、左手が青と呼ばれます。

  3. 競技者の立礼の後、全ての審判が所定の位置についていることが確認されると、主審の「勝負始め」の声と同時に競技は開始されます。
  4. 主審により「やめ」の声をかけられたら競技者は競技をただちに中断しなければなりません。

    必要に応じて、競技者は元の位置につくように主審に指示される場合があります。

    その場合はこれに従います。

  5. 一方の競技者が相手に対して8ポイントの差を取得した場合(ノンコンタクト空手の場合)、あるいは競技時間が終了した時点で主審は「やめ」の声をかけ、競技者には元の位置に戻るように命じますので、競技者はこれに従います。

    そして判定がなされて勝敗が決するか、延長戦になるかの判断が下されます。

フルコンタクトルールの場合の勝敗の決定方法

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組手の勝者は

  • 一本勝ち
  • 技有り2本による合わせ一本勝ち
  • 判定勝ち
  • 相手選手の失格
  • 棄権による勝ち

により決定されます。

試合時間は2〜3分間。

一本勝ち

反則箇所を除く部分へ突き・蹴り・肘打ち等を瞬間的に決め、相手選手を3秒以上ダウンさせるか、戦意を喪失させた時は一本勝ちとします。

技あり

  • 反則箇所を除く部分へ突き・蹴り・肘打ち等を瞬間的に決め、相手選手が一時的にダウンもしくは、戦意喪失し3秒以内に戦う意思がもどった時、また倒れはしないがバランスを崩した時は技ありとします。
  • 技有りは2本で一本勝ちとします。
  • 足掛け技を含めて、ダウンさせ即座に下段突きを決めたときは、 タイミングによって技有りとする事もあります。
  • 小学、中学、高校、女子の部は、ヘッドガード(防具))を着用しているため、タイミングよく的確に上段廻し蹴りがヒットした場合は、技ありとします。

    また、前蹴りが的確に入り尻餅をついた場合も、技ありとなります。

判定

  • 一本勝ち、失格がない場合は、主審1名(試合進行、反則行為の判定を行う)と副審4名(得点と場外の判定を行う)のうち3名以上の審判の判定で決めます。
  • 判定が決まらない場合、延長戦2分間を行います。
  • 延長戦を2回繰り返しても決まらない場合は、体重差7kg以上を有効とします(体重が軽い方が勝ち)。

    それでも決まらない場合は、試し割り枚数で決めます

    (オリンピックの種目では、男女5階級での種目化を目指すとされているため、体重差については少しでも軽い方が勝ちとかそういう形になるかと思われます。

反則

  • 手、肘等(全ての手技)による顔面及び首への攻撃。

    但し、顔面を牽制することは自由です。

  • 金的。
  • 頭突きによる攻撃。
  • 倒れた相手への攻撃。
  • 背後からの攻撃。
  • 掌底押し、正拳押し、つかみ、手掛け、投げ、クリンチ。
  • 技の掛け逃げ。
  • 何度も場外に逃げた場合。
  • その他、審判が特に反則とみなした場合。

反則には悪質なものを除き注意が与えられます。

減点(−1点)

  • 注意を2回与えられた場合
  • 悪質な反則を行った場合。
  • 審判の判断により、悪質な試合態度とみなされた場合。

失格

  • 減点が2となった場合。
  • 試合中、審判員の指示に従わないとき。
  • 粗暴な振る舞いや悪質な試合態度とみなされた場合。
  • 見合ったままの状態で1分以上経過した場合は戦意喪失として、両選手とも失格となります。

  • 応援態度が悪質で目にあまるときは選手の減点または失格もあり得ます。
  • 出場時刻に遅れたり、出場しない時。
  • 反則により相手選手が試合続行不能になった時。

ノンコンタクトルール(寸止め)の場合の勝敗の決定

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 ポイント制で、先に8ポイント差をつけたほうが勝者となります。


試合時間以内に勝負が決まらなかった場合、試合終了時点で多くのポイントを取っている方の選手が勝ちとなり、同点の場合は判定にて決定されます。

試合時間は2分(ただし協議委員会が変更することもある)
また、反則行為の累積(忠告→警告→反則注意→反則)により勝負が決まることもあります。

得点の呼称

一本:3点

  • 上段蹴り
  • マットへの投げ又は足払いで倒した後の有効技

技あり:2点

  • 中段蹴り

有効:1点

  • 上段突き、打ち
  • 中段突き、打ち

反則行為
カテゴリー1(一般的に負傷につながる行為)

  • 過度の接触
  • 腕、足、甲、そけい部、間接に対する攻撃
  • 平手、貫手による攻撃
  • 危険な投げ(回転軸が腰より上)

カテゴリー2

  • 負傷の誇張
  • 場外
  • 無防備
  • 不活動(約30秒間双方何もしない)※残り10秒では取られない
  • 逃避(残り10秒で勝っているときに相手から逃げる)※反則注意
  • つかみなど(両手で相手をつかむ、つかみが即座でない、クリンチ、レスリング、押す)※片手で蹴りをつかんで片手で相手をつかむのは例外的に有効
  • コントロールされてない技
  • 相手に話す、相手や審判に対する無礼

これらの禁止行為に対する懲罰は以下の5段階に分かれています。

忠告
警告
反則注意
反則
失格

忠告を受けたにも関わらずさらに禁止行為をすると警告、さらにすると反則注意、反則(直ちに反則負け)となります。

また、禁止行為の重要度によって即反則ということもあります。

空手のルールは多岐にわたります。

オリンピックではプロテクターをつけたセミコンタクトのポイント制となっています。

詳細は折を見て追記しますが、基本的な流れや反則の概念については上記を参考にしていただけたら試合鑑賞をより楽しめるのではないかと思います。

2014年空手の世界大会の様子

オリンピックの新競技に!空手の競技人口は?

世界空手連盟には、日本はもちろん、世界187カ国が加盟し、競技人口も世界で約6000万人だそうです。

これは、空手同様にオリンピックの新種目の候補となっている野球・ソフトボール(140の国・地域で合わせて約6200万人)と互角の数で、世界的にも認知度の高い競技といえます。


以上、今回は今回は2020年の東京オリッピックを思い切り楽しむためにも、新種目・空手のルールや競技人口についてお送り致しました。

この記事で、空手というスポーツに興味を持っていただけ、2020年の東京オリンピックをより楽しんで頂けたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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