ガス床暖房とエアコンは、どちらも冬の定番暖房ですが、毎月の光熱費は「熱の作り方」と「使い方」で大きく変わります。床暖房は足元からじんわり暖まり、エアコンは空気を素早く暖められますが、料金体系はガス代と電気代で別物です。この記事では、ガス代・電気代の考え方をそろえて比較し、ガス床暖房とエアコンを比較してどっちが安いかをベースに整理していきます。
ガス床暖房とエアコンはどっちが安いの?
一般論として、ガス床暖房とエアコンを比較してどっちが安いかは一概に決まりませんが、短時間で素早く暖めたい場合はエアコンが有利になりやすく、長時間じわじわ暖めたい場合は床暖房が快適性を保ったまま使えることが多いです。ガス床暖房は立ち上がり時にエネルギーを使いやすく、安定運転に入るとコストが落ち着く傾向があります。東京ガスの試算でも、立ち上がり時は1時間あたり約61円で、定常時は約18円と差があることが示されています。
暖房方式の違いについて
ガス床暖房は「熱源機でお湯をつくり、床下の配管へ循環させて部屋を暖める」方式が基本です。一方、エアコンはヒートポンプで外気の熱を取り込み、室内へ運ぶことで暖房します。つまり、床暖房はガスで熱を生み、エアコンは電気で熱を移動させます。この違いが、同じ暖かさでも料金差が出る理由になります。エアコンは効率指標としてCOPが使われることもあり、投入電力に対する暖房能力の比で評価されます。
ガス床暖房の料金に影響する要素
ガス床暖房の費用は、ガス料金の「基本料金+従量料金(使用量×単位料金)」で決まります。東京ガスでもガス料金の計算方法として、使用量に応じた料金表を判定し、基本料金と単位料金を適用して算出する仕組みを示しています。また、地域や契約プランで単価が変わるため、同じ時間使っても世帯ごとに差が出ます。大阪ガスのように床暖房向けの料金メニューが用意されているケースもあるため、床暖房をメインにするならプラン確認が節約に直結します。
ガス床暖房のランニングコストについて
ガス床暖房は床材や床下の構造も温めるため、運転開始直後はどうしてもエネルギーを使いやすいです。東京ガスの試算では、立ち上がり時は1時間あたり約61円、暖まりが安定した定常時は1時間あたり約18円という目安が示されています。床暖房は「つけっぱなしが得な場合がある」と言われるのは、この立ち上がり負担が大きいことが背景にあります。
エアコンの電気代に影響する要素
エアコン暖房の電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)=使用電力量(kWh)」に、契約している電力単価を掛けて考えます。たとえば東京電力の従量電灯Bでは、電力量料金が段階制で、最初の120kWhまでが1kWhあたり29.80円、120kWh超〜300kWhまでが36.40円などと定められています。暖房期は使用量が増えて第2・第3段階に入りやすいため、同じエアコンでも家庭全体の電気使用量で単価が変動しやすい点に注意が必要です。
エアコンが安くなりやすい原因
エアコンの特徴は、電気で熱を「作る」のではなく「運ぶ」点にあります。そのため、投入した電力より大きな暖房能力を得られる場合があり、この効率を示す指標としてCOPが使われます。経済産業省の資料でも、暖房能力を暖房消費電力で割った数値が暖房COPとして整理されています。さらに家庭用エアコンでは、カタログに期間消費電力量が記載され、省エネ性の目安として確認できることが案内されています。高効率機ほど電気代が下がりやすい一方、外気温が低い日や霜取り運転が増えると効率が落ちる点も押さえておく必要があります。
初期費用からみた違い
月々の光熱費だけでなく、導入コストも比較すると判断が安定します。エアコンは設置工事こそ必要ですが、基本的に本体と標準工事で導入できるケースが多いです。一方ガス床暖房は、床下配管や温水マット、熱源機などの設備が絡むため、リフォームや新築時に組み込みやすい反面、初期費用は大きくなりやすいです。床暖房には給湯暖房熱源機を使う構成が一般的で、メーカー仕様でも暖房能力などが示されています。そのためガス床暖房とエアコンを比較してどっちが安いかを考える上では、こういった設備の初期費用も考慮に入れる必要があります。
快適性からみた違い
床暖房は足元から温めるため、同じ室温でも体感的に暖かく感じやすい傾向があります。結果として設定温度を上げすぎずに済む場合があり、光熱費の抑制につながることがあります。エアコンは空気を循環させて暖めるので立ち上がりが速い一方、風が苦手な人は乾燥や温度ムラを感じることもあります。省エネの観点では、暖房時の室温を20℃を目安にする考え方が公的にも示されており、資源エネルギー庁も冬の暖房時の室温は20℃を目安にすることを案内しています。
床暖房とエアコンを上手に併用する方法
床暖房は立ち上がりにコストがかかりやすいので、最初はエアコンで素早く室温を上げ、落ち着いたら床暖房で足元を保つ運転が合理的です。東京ガスも、立ち上がり時にエアコン暖房を併用して部屋を早く暖め、その後は自動で省エネ運転に移る流れを紹介しています。逆に「短時間だけ暖めたい日」は床暖房単独だと立ち上がり負担が効いて割高になりやすいので、エアコン中心のほうが納得感が出やすいです。使う時間帯と目的を分けるだけで、体感とコストを両立しやすくなります。
節約を中心とした設定温度
エアコンは設定温度を上げすぎると消費電力量が増えやすいので、室温20℃を目安に調整する考え方が有効です。資源エネルギー庁は、外気温6℃の条件で設定温度を21℃から20℃にした場合の省エネ効果を例示しており、温度設定の工夫が節約につながることを示しています。加えて断熱カーテンやラグで放熱を抑えると、どちらの暖房でも効果が出ます。
まとめ
ガス床暖房とエアコンは、どっちが安いかではなく「どんな使い方で安くなるか」を軸に考えると失敗しにくいです。床暖房は立ち上がり時の負担が大きい一方、安定運転に入るとコストが落ち着きやすく、併用8時間で約184円という試算例もあります。エアコンはkWh課金で、契約単価と使用電力量が見えるため比較しやすく、高効率機なら電気代が抑えやすいです。両者の利点を生かすのであれば、「短時間中心ならエアコン」、「長時間で快適性重視なら床暖房」、「迷うなら併用」といった運用の方法が現実的な落としどころになります。








