一級建築士といえば難関国家資格のひとつですよね。
一級建築士試験の難易度とはどんなものなのでしょうか?
また実際の問題はどのようなものが出題されるのでしょうか?
2017年の試験日程や学科よりも難しいとされる製図試験、独学の実情を紹介します。
当記事は日程の更新が遅れておりました。
参考にされていた方には大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありません。
2017年8月現在は最新の情報になっております。
目次〜この記事の内容〜
1.一級建築士試験の難易度・合格率・受験資格

一級建築士は日本の国家資格のひとつですが、他の資格と比較して難易度はどのくらいなんでしょうか?
また、合格率や受験資格等も確認してみたいと思います。
①一級建築士試験の難易度
国家資格の難易度は一般的に以下の5つのランクに区分されています。
- S=超難関
- A=難関 ←一級建築士
- B=普通
- C=やや易しい
- D=易しい
中でも一級建築士は2番目の「難関国家資格」と認識されているようです。
また、不動産・建築関係の分野ではトップの難易度で、「不動産鑑定士」と並んでこのジャンルの最難関資格です。
取得するのに必要な学習時間は受験者の学習経験によって違いますが、建築の学歴を有しない人の場合は一次試験(学科試験)に一発合格するために8ヶ月程度、建築学科卒業者でも半年程度必要であるようです(資格学校のカリキュラムが概ねそのような日程となっています)。
②一級建築士試験の合格率(学科・製図)は?
合格率は一次試験(学科試験)が19%、二次試験(設計製図試験)は学科合格者のうち40%程度なので、トータル7〜8%程度です。
③一級建築士試験の受験資格は?
一級建築士試験の受験資格は以下のようになっています。
- 第一号 大学の指定科目を修めて卒業した方=実務経験2年以上
- 第二号 3年生短大で指定科目を修めて卒業した方=実務経験3年以上
- 第三号 2年生短大か高専で指定科目を修めて卒業した方=実務経験4年以上
- 第四号 二級建築士=実務経験4年以上
- 第五号 その他国土交通大臣が認めた方=所定の実務経験が必要
誰もが受験できる試験ではないということです。
基本的には建築系の大学や専門学校等を卒業する必要がありますが、第四号に2級建築士を取得した人であれば4年間の実務経験で受験できるとあります。
二級建築士は学歴なしで7年間の実務経験があれば受験できますので、建築関連の学歴がなくても最短13年で一級建築士を受験することができるようですね。
普通高校を卒業して一度は別の職種に就いたけど、途中から建築を志すようになった方は第四号が対象になってきます。
2.一級建築士試験の日程や時間割は?

2017年度の一級建築士試験の日程や試験当日の時間割は以下のようになっています。
受験の申し込み期間が短いので、申し込みそびれないように注意してくださいね。
①2017年度一級建築士試験の受験申込
郵送の場合:4月17日(月)~5月1日(月)
インターネット申込:4月10日(月)10:00~4月17日(月)16:00
会場申込:5月11日(木)~5月15日(月)
②2017年度一級建築士学科試験の日程と時間割
学科試験日:7月23日(日)
学科Ⅰ(計画)・学科Ⅱ(環境設備):9時45分~11時45分(2時間)
学科Ⅲ(法規):12時55分~14時40分(1時間45分)
学科Ⅳ(構造)・学科Ⅴ(施工):15時10分~17時55分(2時間45分)
③2017年度一級建築士学科合格発表
学科合格発表日:9月6日(火)
④2017年度一級建築士設計製図試験の日程と時間割
設計製図試験日:10月8日(日)
答案1(製図)・答案2(記述):11時00分~17時30分(6時間30分)
⑤2017年度一級建築士設計製図合格発表
設計製図合格発表日:12月21日(木)9:30
合格発表は試験元のホームページ上で公開されます。
3.一級建築士試験の過去問題について

一級建築士学科試験は他の国家試験と同様、過去問題が受験勉強をする上で大きなウエートを占めます。
一説には学科の本試験問題の60%は過去問題と似た内容となっていて、過去問題を制する者が本試験を制すと言われています。
ところがここ数年は新傾向の問題が多く出題されるようになってきているようです。
一概に過去問題を闇雲にやりまくる事が合格への近道だと言い切れなくなってきたそうです。
しかし過去問題を軽く見てはなりません。
最低でも過去7年間分の試験問題は一通りやって、解説を読んでおきたいものです。
大手資格予備校から問題集や参考書が出版されていますので参考にしてみてください。

4.一級建築士設計製図は独学が可能?

受験初年度の方にとっては製図試験の勉強は過酷そのものです。
自分の力の全てを費やして何とか学科に合格したと思ったら今度は製図試験の勉強に力を絞り出す事になるからです。
設計製図試験は資格予備校に通うのが一般的
学科試験は市販のテキストが充実しているので独学で合格することも十分に可能ですが、設計製図試験は学科試験日の前日に内容が発表されるため市販テキストや問題集が発売されるタイミングが遅いのです。
また、設計する力を養うことと製図の技術を上げるという両方の鍛錬が必要ですので、文字通り「独学」して合格することは非常に難しいと考えられます。
一般的には大手資格予備校に通うのがセオリーとなっています。
多額の授業料を支払ってでも通う方が後を絶たないのはその効果が独学やインターネット添削サービスに比べて絶大だからです。
インターネット添削サービスも活用の仕方によっては大きな効果を得られるようです。
一級建築士試験のための資格予備校としては、以下のような学校があります。
- 日建学院
- 総合資格
- TAC
- コスモ建築塾
日建学院と総合資格が全合格者の9割を占めるそうです。
また、教育的ウラ指導というインターネットの添削サービスも最近は広く認知されてきています。
どちらの学校やサービスも活用の仕方次第です。
学校によって合否が決まる事はありません。
ただ、独学は可能か?という問いに対しては・・・
敢えて言わせていただくと、建築に関する学歴が無い状態での初受験で学科からストレート合格するのは独学では不可能ではないかと思います。
逆に、建築関連の大学や専門学校に通っていた方であれば十分に可能性はあると言えます。
大手資格予備校の学費は、学科・設計製図含めて70万円程度かかり設計製図のみだと35万円程度です。
この金額を支払って初受験で合格を目指すか、ゆっくり数年間かけて独学で合格するかという選択になるのではないでしょうか?
いずれにしても確かなことは、受験者の努力なしで合格はないということです。
合格発表の時間についてはこちらの記事を参考にしてください。
▶ 一級建築士製図試験2015の合格発表日や時間は?ネットでも?
関連記事を作成しましたので、参考にしてみてください。
▶ 一級建築士2017設計製図試験課題対策!設備や構造のコツは?
▶ 一級建築士製図試験エスキス手順!スピードアップのコツも!
▶ 一級建築士試験の記述(計画の要点)対策!構造・設備のコツ
▶ 一級建築士製図試験作図スピードアップ方法(1)補助線と柱
▶ 一級建築士製図試験作図スピードアップ方法(2)壁と開口部
▶ 一級建築士2017製図試験で合格するエスキス手順!時間配分も
頑張って合格を目指しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。