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羊水検査で分かることは?予約は必要?リスクや費用・保険は

女性の社会への進出が増える中、高齢出産に臨む女性の割合も増えています。

出生前診断のひとつである、羊水検査について調べてみました。

もくじ

羊水検査とは?

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羊水検査は、出生前診断の一種で、妊娠中の子宮に長い注射針のような針を刺して羊水20mlほど吸引採取し、羊水中の物質や胎児の細胞を元に、染色体や遺伝子異常の有無を調べる検査です。

妊娠15〜18週の、胎児がある程度育ってから行われる検査で、遺伝子など特定の項目に限って調べるもので、すべての異常がこの検査で判明するわけではありません。

リスクが高い検査のため、すべての妊婦が受ける超音波検査とは違って、希望者のみが医師のカウンセリング等を経て受けるものです。

検査時は、モニターで赤ちゃんの位置を確認しながら、針を刺す位置を決め、あらかじめ局部麻酔をしてから、お腹に針を刺します。

局部麻酔の注射と、羊水検査の針を入れる痛さがさほど変わらないとの理由から、局部麻酔を省く病院もあるようです。

検査時間自体は5分ほどですぐに終わります。

一般的には、その後数時間、心音モニターなどで赤ちゃんと母体の状態の経過を見るために半日ほど入院をしてから、退院となります。

羊水検査で分かることは?

羊水検査によって、染色体の数の異常、形の異常が分かります。

羊水検査には、一般的によく使用されるG-band法と、FISH法というふたつの方法があります。

G-band法は羊水から採取した胎児の細胞を培養して検査する方法で、通常2〜3週間と時間がかかる一方、より多くの情報を得ることができます。

一方、FISH法の場合は細胞を培養しないため、4~5日で結果が出るが対象疾患の数は少なくなります。

稀に、G-band法で使用する細胞の培養に失敗することがあるため、FISH法も同時に行う機関もあります。

その場合は、まずFISH法の検査結果を聞いてから、G-band法で最終的な結果を知るという流れになる場合が多いようです。

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羊水検査で分かる染色体異常のうち、FISH法では、13番、18番、21番およびX、Y染色体の数的な異常が分かります。

21番の染色体異常はダウン症を引き起こします。

G-band法では1~22番、X、Y染色体の数的な異常と構造の異常の判定結果が出ます。

これは羊水細胞の染色体異常の60%にあたると考えられているもので、それ以外の染色体の数や構造の異常については判定できません。

また、例えばダウン症についていえばほぼ100%近い確率で当たりますが、モザイク型ダウン症と呼ばれるいくつかの細胞が混じり合ったダウン症については、診断が難しくなるため、絶対に分かるというわけではありません

また、検査の過程で赤ちゃんの性別も分かりますが、日本産科婦人科学会倫理委員会は、医師が両親に性別を告げることを自主規制しています。

羊水検査を受けるために予約は必要?

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クアトロテストなど、他の出生前診断もそうですが、羊水検査を受けられる医療機関は限られています。

ですので、妊娠が分かって羊水検査を受ける気持ちがあるのであれば、最初から羊水検査を実施している産婦人科で診察を受けるか、通常の診察とは別に、羊水検査を実施している病院に紹介状を書いてもらう必要があります。

羊水検査は一般的に妊娠14〜16週で行われるため、妊娠が分かってからすぐに紹介状の手配、予約をしておかないと、間に合わなくなってしまいます。

とういうのは、羊水検査を行ってその結果染色体の異常が見つかってしまった場合のその後の処置を考えたときに、G-band法での結果判定まで2〜3週間かかることを考えると、中絶可能な21週を超えてしまうからです。

また、紹介状を書いてもらって実際に検査を受けられる医療期間に予約を入れた場合にも、初診ではカウンセリングや胎児の状態の確認を行う為、実際の検査はそれから2〜3週間後になる場合もあります。

検査を考える場合には、きちんと計画を立てて早めに予約を取ることをお勧めします。

羊水検査のリスクや費用、保険の適用は?

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羊水検査は、妊娠13週以降と、胎児がある程度大きくなった状態で、子宮に直接針を刺して羊水を取り出す検査です。

あらかじめ、胎児の位置や状態などを細かく確認して、検査できない状態の場合は断られることもあり、できる限りリスクを排除した方法で行われますが、それでも、0、3%の流産のリスクがあります。

1000人が検査を行った場合に、3人が流産をしてしまうということです。

しかし、自然流産の確率もほぼ同じくらいなため、実際には流産の直接の原因が羊水検査かどうかは、はっきりとは分かっていません。

また、羊水検査の後、破水をしてしまう場合もあるようです。

この場合は入院治療で回復する場合が多いようですが、赤ちゃんと母体への負担になることは間違いありません。

稀に、子宮内感染から播種性血管内凝固症候群を引き起こすこともあるため、検査後の経過に気をつけることや、検査後の注意事項を守ることが大切です。

費用は病院によって異なり、日帰りで検査を行う病院もあれば、大事をとって入院の方針の病院もあって、費用にもばらつきがあり、約7〜15万円です。

検査自体の費用に加えて、初診料や事前の超音波検査、カウンセリングなどの料金がかかる場合が多いようです。

すべての妊婦が受ける検査ではなく、任意での検査なため、保険は使えず、全て実費での検査となります。


以上、
・羊水検査とは?
・羊水検査でわかることは?
・羊水検査を受けるために予約は必要?
・羊水検査のリスクや費用・保険の適用は?
の内容でお送りしました。

出産前に、赤ちゃんの健康状態を知ることができる出生前診断である羊水検査ですが、検査結果が思わしくなかった場合にどうするのかということをご家族の方も含めてよく考え、また、母体や赤ちゃんへのリスクもきちんと理解した上で、受けるか受けないか、判断をして頂けたらと思います。

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