クリスマスにケーキを食べるのはなぜ?世界のクリスマスケーキも紹介

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クリスマスにケーキを食べるのはなぜ?世界のクリスマスケーキも紹介

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クリスマスの食卓に欠かせないものといえば、クリスマスケーキですよね。

クリスマスの時期になると、いろんな種類のクリスマスケーキが店頭に並びます。

でもそもそも、クリスマスにケーキを食べるのはなぜなんでしょう?

クリスマスといえば、ケーキが食べられる日というイメージを子供の頃から持っている方も多くいらっしゃると思います。

あまり洋菓子を食べる習慣のない家庭でも、クリスマスにはケーキを買ってきて家族で楽しむイメージがありますよね。

クリスマスにケーキを食べるのはなぜか?

日本にはどのように風習が伝わったのか?

今回はそんな疑問について調べてみました!

また、日本以外の海外のクリスマスケーキも紹介します!


クリスマスにケーキを食べるのはなぜ?

クリスマスといえば、家族でケーキを囲むイメージが定着していますよね。

では、クリスマス以外に家族でケーキを囲む日といえばいつでしょう?

そう、お誕生日ですね。

クリスマスというのは、もともとはイエス・キリストの降誕を祝う、キリスト教のお祝いのことです。

イエス・キリストの誕生日は諸説あるために限定されていませんが、キリスト教と太陽神の考え方を取り混ぜて、冬至の日(≒太陽が新たにうまれる日)前後がクリスマスの日(期間)とされています。

クリスマスを祝う国にとって、クリスマスというのはイエス・キリストがこの世に生を受けたことを祝う日(期間)なんですね。

そのことから、イエス・キリストの誕生を祝うバースデーケーキという意味で、クリスマスにはケーキを食べる習慣があるんです。
 

誕生日にケーキを食べるのはなぜ?

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ではそもそも誕生日にケーキを食べるのはどうしてなんでしょう?

誕生日ケーキの歴史は、なんと古代ギリシア時代(紀元前4世紀ごろまで)にさかのぼります。

古代ギリシア時代の人々は、月の神様アルテミスの誕生日に、月の形をかたどった丸い形のお菓子を神殿に捧げていたそうです。

シンプルな丸いお菓子の上部をろうそくで縁取られていたというこの「誕生日の捧げもの」が、誕生日ケーキの起源と言われています。

丸い形と、縁取られたろうそく・・・、紀元前のギリシアですでに今とほとんど同じバースデーケーキが作られていたなんて、驚きですよね。

その後、バースデーケーキの習慣は次のローマ時代にも引き継がれましたが、ローマ帝国滅亡後にその習慣は途切れてしまったそうです。

そして、またバースデーケーキの習慣が復活したのは中世ドイツでのことだったと一説では言われています。

しかし当時は一部の裕福な人たちだけに限られた特別な習慣で、バースデーケーキの習慣がヨーロッパで一般的に浸透したのは19世紀の半ばくらいだそうです。

日本で誕生日にケーキを食べるという習慣が伝わったのは、戦後のGHQ(戦後の日本で占領政策を実施した連合国軍機関)の指導によるものという説が有力ということなので、1945年以降ということになりますね。
 

クリスマスにケーキを食べる習慣が日本に伝わったのはいつ?

日本で誕生日ケーキを食べるようになったのは戦後のことというのが有力な説ですが、ではクリスマスケーキも同じくらいの時期に日本に伝わったのかというと、実はもっと前なんです。

日本では明治維新まで禁止されていたキリスト教でしたが、明治時代になって信教の自由が法的にも保障されました。

そこで、それまでは「隠れキリシタン」として身を隠していたキリスト教信者の方たちも、世間から認められる存在となりました。

諸外国と肩を並べるために、政府は様々な分野での改革を実施、キリスト教の布教も公に認められたことから、カトリックだけでなくプロテスタントや正教会なども日本全国で布教を始め、キリスト教の存在や習慣が日本に広まっていきました。

そんな中、1885年(明治18年)創業の「明治屋」が、1900年(明治33年)に銀座に進出。

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輸入高級食材の販売で有名な明治屋が、東京の銀座を舞台に「クリスマスセール」を日本で初めて開催しました。

この時初めて、クリスマスのイルミネーション飾りも飾られ、都会の年末風景として知られるようになりました。

クリスマスの飾り付けをした当時の明治屋

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この時に販売されたのは主に年末年始の贈答品だったそうです。

当時の広告

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これが日本における「クリスマス商戦のはじまり」と言われています。

また、1904年(明治37年)には銀座の明治屋で日本で初めてのクリスマスツリーが飾られました。

都会の華やかなイメージが徐々に日本全国に広がっていき、クリスマスはキリスト教の行事というよりは「サンタクロースがやってきてプレゼントをくれる楽しい日」という感覚で人々に浸透していきました。

クリスマスにプレゼントを渡すという習慣も広まっていきました。

当時人気のプレゼントは「歯磨き粉」だったそうです。

日本でサンタクロースが初めて出現したのは、1874年(明治7年)

東京・銀座で女学校を経営する原胤昭氏が開いたクリスマスパーティーでのことだそうです。

その時のサンタクロースは裃(かみしも)や刀、大森かつらを身につけた殿様風のいでたちで、クリスマスツリーや飾り付けも和風にアレンジされたものだったとか。

昭和7年ごろ、カフェでのクリスマスパーティーの様子

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そしてサンタクロースが日本で最初に描かれたのは1898年(明治31年)のとき。

日曜学校の子ども向け教材として、「さんたくろう(三太九郎)」という読本が刊行されました。

さんたくろう(三太九郎)のイラスト

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そしてついにクリスマスケーキが登場します。
 

日本で最初のクリスマスケーキ

クリスマスケーキを初めて発売したのは、老舗の洋菓子店「不二家」(1910年創業)で、1910年(明治43年)のことでした。

といっても、不二家から最初に発売された「日本初のクリスマスケーキ」は、今のような華やかなショートケーキではなかったそうです。

それは、プラムケーキ(ドライフルーツ入りのバターケーキ)をフォンダンクリームのグラス(砂糖衣)でコーティングし、銀玉をつけた程度のシンプルなものだったそうで、記録をもとに再現するとこんな感じなんだそうです。

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その後、1912年(大正元年)に、不二家創業者・藤井林右衛門氏がアメリカに修行に渡った際出会った「イチゴショートケーキ」を、不二家からより日本人好みのケーキに仕上げて「ショートケーキ」として日本に広めました。

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不二家創業者・藤井林右衛門氏がアメリカで出会ったショートケーキを、日本で改良して生み出した人は誰なのかはわかっておらず、不二家の人からも「ショートケーキは謎の多いケーキ」と言われています。(参考:企業に飛び込め!オピ研「vol.66:不二家」)

不二家が発売した「いちごのショートケーキ」がクリスマスケーキとして定着したのには、大きく2つの理由があると言われています。

それは、

1.白いクリームを雪に、赤いイチゴをサンタクロースに見立ててクリスマスの雰囲気を出したこと

2.日本で伝統的に縁起が良くお祝いに用いられる「紅白」の色使いなこと

です。

それでも当時はクリームや砂糖・小麦粉から作られる洋菓子は贅沢なものと考えられており、なかなか庶民の口には入りませんでした。

現在のようにクリスマスケーキが一般的に普及したのは、砂糖や小麦粉の統制が解除になった戦後、昭和25~26年ごろ(1950年ごろ)からだそうで、当時の欧米化ムードも相まって、爆発的にヒットしました。

ちょうど戦後のその頃からバースデーケーキも日本で一般的に知られるようになったので、日本の食卓にケーキが並ぶ機会が一気に増えたわけですね。

欧米ではクリスマスケーキというとイエス・キリストの降誕を祝うバースデーケーキの意味合いですが、日本では日本の欧米化の象徴であり、戦後の日本の発展の象徴とも言えますね。

1972年のサザエさんでは、今とほとんど変わらない雰囲気のクリスマスの様子が紹介されています。

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長らく日本ではクリスマスケーキといえばショートケーキでしたが、これはキリスト教の文化から来たものではなく、欧米化によってもたらされた洋菓子の文化を日本風にアレンジしたものだからでした。

では、世界の国々ではクリスマスにどんなケーキ(お菓子)を食べるのでしょうか?

以下の8カ国で伝統的に食されているクリスマスケーキ(お菓子)を紹介します。

 

  • フランス
  • イギリス
  • ドイツ
  • イタリア
  • インド
  • チェコ
  • ジャマイカ
  • ポーランド

 

フランスのクリスマスケーキ

 

  • ビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël)

 

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フランスをはじめ、カナダのケベックやベトナム、レバノンなどフランス語圏やフランスの元植民地で広くクリスマスに食されているのが、ビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël=クリスマスの丸太)です。

丸太の形をしたこのケーキには、ふたつの由来が伝えられています。

ひとつは、もともとは北欧で冬至に行われていた古い宗教的慣習「ユール」を、パリのお菓子職人が古い慣習を守るために「ユール・ログ(Yule Log=ユールの丸太)」をかたどったお菓子を1945年のクリスマス時期に発売したことが発祥という説。

もうひとつは、イエス・キリストが生まれた際に赤ちゃんの身体が冷えてしまわないように一晩中暖炉に薪をくべて温め続けたという言い伝えから薪をかたどったケーキをクリスマスに食べるようになったという説です。

この言い伝えを元に、古くからヨーロッパの家庭ではクリスマスの夜にできるだけ大きな薪(丸太)を用意して、一晩中暖炉に火を灯し続けるという習慣があったそうです。

お菓子のビュッシュ・ド・ノエルの発祥時期には諸説あり、フランス中西部のPoitou-Charentesという地域では16世紀にすでにこのような丸太型のケーキがクリスマスに食されていたとも言われています。

伝統的なビュッシュ・ド・ノエルは、薄いスポンジケーキにコーヒー・チョコレート・グランマニエ(コニャックとオレンジのお酒)などで風味をつけたバタークリームを塗り、ロールケーキのように巻いてからさらにクリームでデコレーションするというものです。

近年ではアイスケーキタイプやムースタイプなどいろんな種類のビュッシュ・ド・ノエルが販売されています。

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  • クリスマスの13種類のデザート(les treize desserts de Provence)

 

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フランスの中でも特に南部のプロバンス地方で伝統的にクリスマスに食されるものに、「クリスマスの13種類のデザート」があります。

20世紀に入るまで、フランス全土にはあまり知られていなかったこの風習ですが、1683年の文献にその記述がすでにあります。

「クリスマスの13種類のデザート」といっても、内容はシンプルなものが多いです。

また、13種類のものがきっちり決まっているのではなく、以下のようなものを取り合わせてお皿に盛ります。

 

  • ヌガー(白色)
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  • ヌガー(黒色)
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  • オリーブオイル入りのパン(pompe à l’huile)
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  • くるみ、もしくはヘーゼルナッツ
  • ドライいちじく
  • アーモンド
  • 干しぶどう
  • デーツ
  • オリーブなどの具入りのパン(fougasse)
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  • 砂糖漬けのフルーツ
  • フルーツをゼリー状に固めたもの(pâte de fruits)
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  • カリソン(アーモンドの生地から作られる南仏のお菓子)
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  • りんご
  • 洋梨
  • 青いメロン
  • 煮詰めたワイン(vin cuit)

 

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濃厚なクリームを使ったデザートではなく、基本的にフルーツと木の実・質素なパンが中心の盛り合わせです。
 

イギリスのクリスマスケーキ

クリスマスプディング(Christmas pudding)

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イギリス・アイルランドとフランス北部の一部地域でクリスマスに食されるのが、クリスマスプディングです。

プディングといっても、いわゆる砂糖と卵と牛乳だけで作られる「プリン」とは違い、小麦粉・生パン粉・木の実・カソナード(赤砂糖)・ミンスミートと呼ばれる牛脂(ケンネ脂、もしくはバター)、卵、砂糖、ブランデーにつけて柔らかくしたドライフルーツがぎっしりと詰まった、濃厚なお菓子です。

1420年ごろから伝統的に続いているこのお菓子は、それぞれの家庭に受け継がれたレシピが存在し、家庭ごとにクリスマス時期に作るのが一般的です。

もともとは中世の時代にクリスマス用に作っていた濃厚なスープが由来とされるこのお菓子、材料には13種類の材料が使われていなければならないという迷信も存在するそうです。

また、伝統的な作り方では、生地を作る際に家族全員で願い事を唱えながら1回ずつ生地を時計回りにかき回し、その儀式を終えてから型に流して蒸しあげます。

一度焼き上げてから1ヶ月ほど熟成させ、中の果物が発酵してアルコールを発するようになってからが食べ頃で、この期間は長ければ長い方がいいそうです。

食べる前にもう一度蒸して、ヒイラギの枝を飾り付け、熱したブランデーをかけてフランベし、ラム酒入りバターか、ブランデー入りバターを添えるのが伝統的な食べ方です。

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ドイツのクリスマスケーキ

シュトレン(Stollen)

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ドライフルーツや木の実を練り込んだパンで、表面に粉砂糖がまぶしてあります。

ドイツではこのシュトレン(Stollen)を、クリスマスの1ヶ月ほど前から少しずつスライスして食べるのだそうです。

そのため、伝統的なシュトレンはなんと重さ4.4kg!

日か経てば経つほど味が馴染んで美味しくなるシュトレンは、ちょうどクリスマスを迎える頃に一番美味しくなるので、徐々に美味しくなるシュトレンを食べながらクリスマスの日がくるのを待ちわびるというのがドイツスタイルなのだとか。

シュトレンがドイツで最初に発売されたのは、1545年のことだそうです。
 

イタリアのクリスマスケーキ

パネットーネ(Panettone)

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イタリアでクリスマスに食べられるのが、パネットーネ(Panettone)というお菓子(菓子パン)です。

ドライフルーツが練りこまれたブリオッシュのようなこのパンは、仔牛の小腸から採取される特殊なイースト「パネットーネ酵母」を必ず使って生地を発酵させなくてはならないという決まりがあって、作るのにとても手間と時間がかかります。

そのため、家庭料理で知られるイタリアでもパネットーネだけはパン屋やお菓子やさんで買うというのがお決まりだそうです。

パネットーネ酵母は発酵するときに天然の保存料を出すと言われていて、室内保存で3ヶ月〜半年以上の保存がきくそうです。

確かに、普通のパンに見えるのにどうしてクリスマスの間ずっと箱に入って売られているんだろう・・・と不思議に思っていました。

そんなに保存がきくのはパネットーネ酵母のおかげだったんですね!

以前はクリスマスの1ヶ月前になると大きなパネットーネを知り合いや近所同士で贈り合う風習があったため、クリスマス前には家中にパネットーネがゴロゴロしていたそうですが、今は各自自分の家族の分を買って済ませることも多くなっています。

パネットーネとは「大きなパン」の意味で、アントーニオという職人が焼いたパン(トーニのパン=pane di toniが訛った)という説もあるそうです。

食べる際にザバイオーネ(マルサラワインを混ぜたカスタードクリーム)を添えるのが伝統的な食べ方で、少しトースターで焼いたパネットーネに生クリームやバニラアイスを添えるのも一般的です。

また、第2次世界大戦当時にブラジルやアルゼンチンに移住したイタリア人たちがパネットーネを持ち込んだことから、今ではブラジルやアルゼンチンなど南米地域でもクリスマスにパネットーネが広く食されているそうです。
 

インドのクリスマスケーキ

アラハマディ・ケーキ(Allahabadi cake)

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インドのヒンドゥー教徒の人たちがクリスマスに伝統的に食べるのが、アラハマディ・ケーキ(Allahabadi cake)です。

これはインド北部の都市アラハバッド(Allahabad)から名前を取ったケーキで、小麦粉・卵・澄ましバター・Petha(インドのソフトキャンディー)ナッツ・生姜などが入ったラム酒入りのフルーツケーキです。
 

チェコのクリスマスケーキ

編み込みブリオッシュ(Vánočka s rozinkami)

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チェコでは、ブリオッシュの生地にレーズンやナッツを編み込んで焼き上げた編み込みブリオッシュがクリスマスに食されます。

このように、ブリオッシュの生地を何本かの紐状にわけ、ナッツやドライフルーツを編み込んでから発酵させて焼き上げます。

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家庭で作ったり、パン屋さんでも購入できます。
 


ジャマイカのクリスマスケーキ

ラム・ケーキ(rum cake)

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ジャマイカの特産のラムをふんだんに使い、シナモン・ナツメグ・ライムなどのスパイスで風味付けをした濃厚なケーキです。
 


ポーランドのクリスマスケーキ

ケシの実のロールケーキ(Poppy Seed Roll/makowiec)

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ポーランドでクリスマスに食されるのは、ケシの実とくるみをペースト状にしたクリームを菓子パンのような生地で巻いたロールケーキのような形のパンです。

ケシの実というと日本でもあんぱんの上についていたりしますが、なんとなく見た目も和風な雰囲気がしますよね。

このお菓子はポーランドのみならず、ハンガリー・スロバキア・ウクライナ・ルーマニア・ロシアなどでも食されているそうです。

このように見てみると、ドライフルーツやナッツを使った「菓子パンのようなお菓子」を食するところが多いですね。

特にドイツのシュトレン・イタリアのパネットーネには製造方法の違いはありますが、原材料はかなり似通っています。

同様のナッツやドライフルーツを使ったパンはチリの「Pan de Pascua」などもあり、もともとはドイツのハンブルクで1300年ごろに生まれたシュトレンの原型が、徐々に形を変えながら世界中に広まったものではないかとも言われています。

チリの「Pan de Pascua」

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ほとんどシュトレンと同じようなお菓子です。

 


以上、

 

  • クリスマスにケーキを食べるのはなぜ?
  • 世界のクリスマスケーキ紹介

 

 

の内容でお送りしました。

世界にはいろんなクリスマスケーキがあるんですね。

日本でのクリスマスも、ちょっと気分を変えてインターナショナルに楽しんでみるのもいいかもしれませんね!

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