サンタクロースの服の色や名前・クリスマスプレゼントの由来は?

クリスマスの夜、トナカイに乗ってやってくるサンタクロース。

寝ている間にいつのまにか現れて、プレゼントを置いていってくれる・・・。

子供にとっても大人にとっても、クリスマスとサンタクロースは切っても切り離せない存在ですよね。

でも、もともとはクリスマスとサンタクロースとは関係のない別個のものだということは意外と知られていません。

というわけで今日は、クリスマスとサンタクロースの関係やサンタクロースの赤い服・クリスマスツリーの由来についてまとめてみました!

  • サンタクロースの服の色や名前の由来は?
  • クリスマスプレゼントの由来は?
  • サンタクロースのトナカイとソリの由来は?

 

 

サンタクロースの服の色や名前の由来は?

 
 
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クリスマスというのは、北欧で古くから行われてた冬至のお祭りと、キリスト教のイエス・キリストの降誕を祝う行事が融合してできたものです。

そして、クリスマスの夜に子どもたちのもとにプレゼントを持って現れるサンタクロース、これはもともとクリスマスとは関係のない伝説に由来しているのは、意外と知られていないですよね。
 
 
サンタクロースの由来(モデル)となった人物は、ミュラ(ミラ)のニコラオス(=聖ニコラオス/Nicolas de Myre・Saint Nicolas)という人です。

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聖ニコラオスの伝説をご紹介しますね。
 
 
ニコラオスは、ミュラ(アナトリア半島にあった古代都市で、現在のトルコのアジア地域にあたる)で、西暦270年に裕福な家庭に生まれました。

幼くして両親をなくし、キリスト教の司祭だった叔父に引き取られて育ったニコラオスは、叔父の死後自分も司祭として生きていくことにします。
 
 
両親が残した財産を、貧しい子どものために使おうと決めたニコラオスは、毎年決まった日の夜、人々が寝静まってからそっとプレゼントやお金を貧しい家に届けることにしました。
 
 
自分の姿を明かさないで、人にプレゼントをするなんてすごいですよね。
 
 
そして、そのニコラオスが毎年決めた日が、12月5日から12月6日にかけての夜中でした。

そう、現在のクリスマスの日とは違いますよね。

この12月6日は、ヨーロッパ諸国で今も聖人記念日の「聖ニコラオスの日」とされ、祝福されています。
 
 
では、どうしてニコラオスがクリスマスにプレゼントをくれるサンタクロースに変わっていったのか?
 
 
古くから冬至のお祭りやクリスマスの日にはそれぞれの国で、子どもにプレゼントをくれる妖精がいたりして、聖ニコラオスというイメージに統一されていませんでした。
 
 
しかし、16世紀にヨーロッパで起きた宗教改革の結果、「聖ニコラオスという存在」と、「クリスマスにプレゼントを持ってきてくれるおじさん」の明確な分離が図られました。

その発端は、宗教改革を推し進めたドイツ人ルターがクリスマスの日に子どもにプレゼントをあげることを推奨したことからと言われています。

これは、当時北欧を中心としたヨーロッパでクリスマスと同様もしくはそれ以上に祝われていた「聖ニコラオスの日」の風習を、クリスマスというイエスキリスト降誕の日に集約しようという考えがあったと思われます。
 
 
その結果、例えばイギリスでは、16世紀には「聖ニコラオスの日」の概念が失われ、その代わりクリスマスには「ファザー・クリスマス(クリスマスの父)」がやってくると言われるようになりました。

1843年にイギリスの小説家チャールズディケンスが発表した「クリスマスキャロル」に登場する「ファザー・クリスマス」は、現在のような赤い服ではなく、緑のローブを羽織っています。

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また、フランスでは「Père Noël(クリスマスの父)」という表現が1848年12月23日刊行の雑誌で初めて使われました。
 
 
この「クリスマスの父」の呼び名は、「聖ニコラオスの日」が存在するヨーロッパの多くの国で今でも使われていて、基本的には別の存在と考えられています。

ちなみにフランスには、クリスマスにプレゼントをくれるアリーおばさんという妖精もいます。
 
 
Tante Arie(アリーおばさん)

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この「聖ニコラオス」が現在の「サンタクロース」に名前を変えたのは、なんとアメリカでのことでした。

「聖ニコラオスの日」の風習は、独立戦争の時期にオランダからの移民の間で祝われていたものが、アメリカに広がりました。

オランダ語で「聖ニコラオス(=サン・ニコラオス)」の名前は「サン・ニコラース(Sint-Nicolaas)」と訳され、それがさらに「サンタクラース(Sinterklaas)」と変化したものを、アメリカ人が聞き取って「Santa Claus」と表記されたのが、サンタクロースの始まりと言われています。

オランダでサン・ニコラース(Sint-Nicolaas)とサンタクラース(Sinterklaas)というふたつの呼び方があるのも、宗教改革に関係があるとも言われています。

サン・ニコラース(オランダ)→サンタクラース(オランダ)→サンタクロース(アメリカ)

と変化したわけですね。
 
 
1850年に聖ニコラオス(Saint Nicolas)のイラストとしてアメリカで紹介された姿は、赤い司祭服を着て今のサンタクロースに近い姿ですよね。

1850年に描かれた、「子供達の名前のリストを作る聖ニコラオス」

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しかしその後、サンタクロースはより庶民的な姿に一旦変わります。

アメリカのイラストレーターのトーマス・ナスト(Thomas Nast)が1863年に発表したサンタクロースのイラストは、水玉の妖精のような格好をしています。

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また、ナストが1881年に発表したサンタクロースは軍服のような服を着て髭を蓄え、パイプをくゆらせています。

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これはオランダ人をモチーフにしたと言われていますが、このナストのサンタクロースのイメージと、これまでの赤い司祭服の聖ニコラオスのイメージが融合してできたのが、現在のサンタクロースなんだそうです。
 
 
1905年にアメリカで発行された雑誌に描かれたサンタクロース

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ちなみに、サンタクロースが北極に住んでいるという設定を作ったのもナストで、1885年にイラストとして発表しました。

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のちに孫が語ったところによると、「北半球のどこからも同じ距離だから」という理由で北極にサンタクロースの居を置いたのだそうです。
 
 
他にも多くのサンタクロースのイラストを発表したトーマス・ナスト。

当時まだサンタクロースの姿が一般化されていなかったことを思えば、彼がサンタクロースの原型を作ったと言っても過言ではないですよね。
 
 
トーマス・ナストのサンタクロースのイラスト

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Santa Claus and His Works/1866年

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こうして1900年代初頭のアメリカではほぼ現在のようなサンタクロースの姿が完成していましたが、フランスなどヨーロッパの国ではまだサンタクロース(クリスマスの父)の姿は確立されていませんでした。

1895年の「Le Bonhomme Noël(クリスマスのいい人)」(フランス)

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1913年の「Père Noël(クリスマスの父)」(フランス)

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1914年の「Père Noël(クリスマスの父)」(フランス)

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驚きなのが、この当時すでに日本では、現在の姿のサンタクロースが紹介されていることです。

1914年のサンタクロース(日本)

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当時の日本は明治維新で欧米化が進められていて、アメリカからの文化がいち早く取り入れられたんですね。
 
 
このアメリカ的なサンタクロースのイメージを一気に世界中に広めたのが、コカコーラ社が1930年代に行ったクリスマスキャンペーンだと言われています。
 
 
1931年にコカコーラ社の冬のキャンペーン用のポスターを担当したイラストレーターのハードン・サンドブロム(Haddon Sundblom)は、トーマス・ナストが1881年に発表したサンタクロースのイラストからインスピレーションを得て、サンタクロースのイラストを描きました。
 
 
ハードン・サンドブロム(Haddon Sundblom)

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ハードン・サンドブロムが描いたサンタクロースのポスター

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このキャンペーンが大ヒットし、コカコーラは冬場の売り上げをぐんと伸ばすと同時に、アメリカナイズされたサンタクロースのイメージが全世界に広まることになったのです。
 
 
こうしてみると、サンタクロースは元の原型を保ちつつも少しずついろんな国の文化の影響を受けて変化していたのが、1900年代のアメリカで一気に固定され統一されたのがわかりますよね。
 

 

クリスマスプレゼントの由来は?

 
 
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ここまでサンタクロースの由来を見ていくなかでも触れてきましたが、クリスマスプレゼントの由来には大きく分けて3つあります。

  • 聖ニコラオスの伝説
  • 冬至のお祝い
  • クリスマスのお祝い

  •  
     

    クリスマスプレゼントの由来その1:聖ニコラオスの伝説

    毎年12月5日〜6日にかけての夜中にそっと貧しい子供達に贈り物を届けていた聖ニコラオスは、カトリックの聖人としてヨーロッパ諸国で伝説になっています。

    現在も12月6日は聖ニコラオスの日とされ、オランダやドイツの一部地域ではこの日に子どもにプレゼントをあげる習慣が残っています。

    16世紀の宗教革命以降、この習慣がクリスマスに融合され、クリスマスに子どもにプレゼントをあげる日になりました。
     
     

    クリスマスプレゼントの由来その2:冬至のお祝い

     
     
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    北欧の国では、12月13日の聖ルチア祭から始まる、冬至を祝うお祭りがあります。

    これを「ユール」といい、冬至の日から太陽が新しく生まれ変わるという意味から、新しい命である子供達に妖精がプレゼントを届けてくれると言われていました。

    9世紀頃から行われれいるこの「ユール」の祭りも徐々にクリスマスに融合され、プレゼントを届けてくれる妖精もだんだんサンタクロースと一体化していきました。
     
     

    クリスマスプレゼントの由来その3:クリスマスのお祝い

    イエスキリストの降誕を祝うクリスマスに子供達にプレゼントを贈るよう広めたのは、16世紀の宗教改革で大きな役割を果たしたルターでした。
     
     
    マルティン・ルター(Martin Luther)

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    この宗教改革で聖ニコラオスの伝説の持つ「貧しい子どもにプレゼントを」の意味合いが「子供達にプレゼントを」へと変わりました。

    さらにアメリカでは1900年代初頭、貧しい移民にクリスマスプレゼントを送る大規模なプレゼント作戦が行われ、以後大人同士でもプレゼントを交換するという文化が生まれました。
     
     
    日本にクリスマスの文化がもたらされたのもこの頃で、1906年には「救世軍による貧しい人々へのクリスマスプレゼント」として籠に詰めた果物やパン・菓子・玩具などが3万人を越える貧民に手渡されました。
     
     
    当時の日本にはすでにお歳暮のような、贈り物をしあう風習があったため、クリスマスに贈り物をしあうという行為もすんなりと受け入れられ、現在のように子どもに限らずプレゼントを贈り合うという習慣が根付いたと言われています。
     
     

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    サンタクロースのトナカイとソリの由来は?

    最後に、サンタクロースのトナカイとソリの由来についてです。

    トナカイに引かれるソリに乗って飛んでくるという描写が最初にされたのは、1821年にニューヨークで発売された子供向けの本の中ででした。

    オランダ文化の影響を受けて書かれた本の中で、「おじいさんがトナカイが引くソリに乗ってプレゼントを持ってくる」と書かれています。
     
     
    その後、1823年12月23日にニューヨークのトロイの新聞で「サンタクロースが来た(A Visit from St. Nicholas)」という詩が発表されました。

    後のサンタクロースのイメージに大きな影響を与えたと言われているこの詩の中で、サンタクロースは次のように表現されています。

     
    「サンタクロースが来た(A Visit from St. Nicholas)」(抜粋)
     
     
    クリスマスの前の晩、靴下を吊り下げて、みんなが寝静まった頃・・・。

    ベッドの中でふと気配を感じ窓を開けると、雪の舞う空に明るく月が輝いていました。

    昼間のような月の輝きに驚いてふと目をやると、窓のところに小さなソリと、8頭の小さなトナカイがいました。

    そして、手綱を引くのは小さくて元気いっぱいのおじいさん。

    すぐにサンタクロースだとわかりました。

    ワシのように早く飛び上がったトナカイ達に、サンタクロースは叫びます。
     
     
    「そらダッシャー、そらダンサー、それプランサー、ヴィクセン!

    行けコメット、行けキューピッド、ドナー、ブリッツェン!

    ポーチの上まで、壁の上まで!

    みんな早く遠くに逃げろ!」
     
     
    たくさんのおもちゃとサンタクロースを乗せたソリを引いて、トナカイ達は枯葉が嵐で舞うように屋根の上へ飛んで行きました。

    驚いて上を見上げると、屋根の上でトナカイが歩いている音がします。

    窓から頭をひっこめて見渡すと、なんとサンタクロースが煙突から落ちてきました。

    サンタクロースは頭から足先まで毛皮の服を着て、灰とススまみれ。

    背中にはおもちゃをたくさん背負っていて、まるで袋を開ける行商人みたいでした。
     
     
    光り輝く瞳と、陽気なエクボ!

    ほっぺたはバラの花のようで、花はサクランボみたいです。

    小さな口は弓の形に曲がり、髭は雪のように真っ白でした。

    口にくわえたパイプから、頭の上に王冠のような丸い煙が出ています。

    大きな顔と、小さくて丸い太鼓腹。

    その太鼓腹は、笑うたびにゼリーが入ったボウルのように揺れました。
     
     
    可愛く太って、陽気な妖精みたいな姿に思わず笑うと、首をかしげてウィンクをしてくれました。

    その姿をみて一安心していると、サンタクロースは黙ってすぐに仕事に取り掛かり、靴下をプレゼントでいっぱいにしました。

    そして急に振り向くと、鼻に指をやってから、頭を下げて暖炉に入り、また煙突を登って行きました。
     
     
    サンタクロースがソリに飛び乗って口笛を吹くと、トナカイ達はアザミの綿毛のように遠くへ飛んで行きました。

    でも、見えなくなってしまう前に、サンタクロースがこう叫ぶのが聞こえました。
     
     
    「みんな、メリークリスマス!みんな、おやすみ!」

     
     
    当初作者不明だったこの詩は、後にクレメント・クラーク・ムーア(Clement Clarke Moore)作とされましたが、彼の友人のヘンリー・リビングストン・ジュニア(Henry Livingston, Jr.)作という説もあり、今でも正確なことは分かっていません。

    しかし、この詩によって現在のサンタクロース像が確立されたことは間違いないですよね。

    前述のトーマス・ナストもこの詩が再販された際に挿絵を書いていることからも、詩から得たサンタクロースの印象が大きくイラストに影響を与えていると思われます。
     
     
    1870年に描かれたサンタクロースのイラスト

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    今まで、クリスマスといえばサンタクロース・プレゼント・トナカイとセットのように考えていましたが、それぞれ歴史の中で複雑に絡み合って今に至るんですね。
     
     
    サンタクロースが今のような姿で世界中に知られるまでを、時系列にまとめると次のようになります。
     
     

     
    16世紀ごろまで
  • 聖ニコラオス本人がサンタクロースのイメージ
  • 赤に限らず、青や緑などの司祭服を来ている
  • 真夜中の皆が寝静まった夜にプレゼントをくれる
  •  
     
    17世紀ごろ

  • 聖ニコラオスとは別に、プレゼントをくれる優しいおじいさんがサンタクロースのイメージ
  • 服装はローブ・ガウンなど
  •  
     
    1800年代初頭に発表された詩

  • モチーフは聖ニコラオス
  • 小さくて陽気なおじいさんで可愛らしく太っている
  • 全身毛皮の服をまとっている
  • パイプをくゆらせている
  • トナカイを8頭連れていて空を飛ぶソリでやってくる
  • 暖炉の煙突から落ちる
  • 白いひげを生やしている
  • 司祭のような崇高な存在というよりは身近な可愛いおじいさん
  •  
     
    1800年代半ばにトーマス・ナストが発表したイラスト

  • 詩の内容を元にビジュアル化している
  • 赤い毛皮のようなコートを着ている
  • ベルトをしている
  • 北極に住んでいて、サンタクロースとして生きている
  • ひいらぎの葉と実をつけている(北欧のイメージで、現在のクリスマスのイメージ)
  • 小人ではなく、普通の人間と同じサイズ
  •  
     
    1931年コカコーラ社のポスターのハードン・サンドブロムのイラスト

  • トーマス・ナストのイラストをモチーフにしている
  • パイプを持っておらず、子供達に好かれそうなおじいさん
  • 優しい雰囲気を全面に表現
  •  
     
    このように、徐々にキャラクター化されているのがよくわかりますよね。

    さすがアメリカ、ウォルト・ディズニーの国だなー!って感じです。

    今では、「サンタクロース」という呼び名が定着していない国(イギリス・フランスなど)でもサンタクロースの格好は同じことを考えるとやはりアメリカの影響力って大きいんだなと思います。
     
     
    クリスマス関連の由来は他にもいろいろと興味深い記事を書いていますので、よかったら読んでみてくださいね!

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    以上、

    • サンタクロースの服の色や名前の由来は?
    • クリスマスプレゼントの由来は?
    • サンタクロースのトナカイとソリの由来は?

     
    の内容でお送りしました。
     
     
    知っているようで知らないことって本当にいろいろあるんですね。

    これからも疑問に感じたことをいろいろと調べて書いていきたいと思います!
     

     

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